よくある「性格の不一致」のケースでは、どちらが悪いともいえないため、基本的に慰謝料を請求することはできません。 1.離婚慰謝料を請求できる場合. 財産の分け方は折半が通常です。 1.1 本当に離婚をする必要があるのか; 2 スピード離婚で起こる様々な問題. 今回は、性格の不一致が理由で離婚することができるのかについて、具体的なケースをあげながらご説明します。また、性格の不一致による離婚の際の慰謝料請求についても解説します。法律事務所オーセンスは、離婚問題に積極的に取り組んでいます。 あくまでも、保険料の納付実績の分割を受けることができる制度なので、保険料を多く納付した配偶者が将来受け取る年金額の半分をもらえるものではありません。, 年金分割の対象となるのは、厚生年金と、厚生年金に含まれる共済年金です。 性格の不一致離婚、慰謝料はなし? (2ページ目) 性格の不一致で離婚するとき、有責性を問えないので慰謝料は発生しないのか? 慰謝料ではなく、「解決金」「扶養的財産分与」とは? そのため、財産分与の際は、特有財産を一緒に分割しないように注意が必要です。, 具体的には、結婚期間中にマイカーを購入した場合、夫が結婚前から保有していた預貯金から資金を出して購入した事情があると、マイカーは共有財産ではなく特有財産になるのが通常です。, 他にも、結婚前に妻が購入していた株式は特有財産にあたり、結婚中に株を売却して利益がでたとしても、夫婦が協力して、いいタイミングで売却したなど特殊な事情がない限りは特有財産として財産分与の対象になりません。, このように、共有財産と特有財産を分けて把握しておかなければ、財産分与の際に、本来は相手に分けなくてもいい自分自身の固有の財産まで、一緒に分け与えてしまう可能性があります。 そのため、住む側は出ていく側にお金を支払わなくてもいいのですが、一方で住宅ローンの支払いは残るため、出ていく側が債務者の場合は、金融機関と交渉して債務者を変更したり、連帯保証人から外れたりすることになります。, 年金分割とは、結婚期間中に、厚生年金保険・共済年金の保険料を納付した「実績」を、夫婦で分割する制度をいいます。 弁護士に相談・依頼した場合の費用は以下をご参考ください。, 最近は初回無料相談に対応している弁護士事務所も多いですし、着手金や報酬金は事務所によって大きく変わります。, 特に財産分与の場合は、一律料金か、経済的利益の何パーセントかという決め方によっても変わります。 妻はaさんに日々暴言を吐かれたり、威圧的な態度をとられ、多大な精神的苦痛を受けたとして、慰謝料100万円を請求してきました。相手方の慰謝料請求を可能な限り封じるためには、きちんとした戦略を立てる必要があります。 慰謝料は、「相手を傷つけた人が支払うお金」です。性格の不一致の場合は、どちらか一方に非があるわけではありませんので、慰謝料の対象にはなりません。 離婚慰謝料請求の時効について. これは、住み続ける側は、マイホームの価値を一人で利用できることになるからです。, マイホームの不動産価格が住宅ローン残高より低いケースを「オーバーローン」と言います。 弁護士に相談するメリットは、勢いで離婚して後悔する前に、ある程度の財産分与の目安のアドバイスをもらえること、結婚前の同棲期間など、プラスの事情があれば考慮するアドバイスを受けられることです。, また、住宅ローンを組んでマイホームを購入したような場合は、スピード離婚をした場合は婚姻中に完済することは難しいでしょう。 スピード離婚 慰謝料 . 1.1 夫から性格の不一致を理由に一方的に離婚を求めてきた; 2 性格の不一致は離婚原因として認められる?. なお、慰謝料は、離婚した場合に必ず発生するわけでなく、上記の離婚の原因(法定離婚事由)が存在する場合に、これを作った方に対して、もう一方が請求することができます。つまり、性格の不一致のような場合は慰謝料請求できません。 「結婚したけれど、スピード離婚することになった」「スピード離婚だったので、財産分与が心配」 離婚に至った理由が「性格の不一致」ということは、これといった有責行為が夫の側になかったということなので、そもそも、慰謝料支払の前提となる「不法行為」が認められる可能性は低いと思われます。 31歳妻、結婚2年目です。性格の不一致を理由に、結婚1年経たずに夫が2回家を出て行きました。 性格の不一致が原因で離婚した解決事例から請求のコツを学びます。慰謝料請求が叶いにくい原因と一般的にいわれている例ですが、依頼した弁護士の手腕によってはキチンと請求できるケースも。事例を解決した弁護士事務所もあわせて紹介しています。 1 スピード離婚する前に知っておきたいこと. 離婚によって債務者や連帯保証人から外れるわけではないので、誰がローンを返済していくかは、金融機関を交えて交渉する必要があります。, マイホームを売却せずに、夫婦の一方が住み続ける場合は、前述のようにマイホームに不動産価値がないため、財産分与の対象とはなりません。 公開日: 2015年09月16日 相談日:2015年09月16日 . そのため、スピード離婚の場合は、財産分与については夫婦で財産を築く時間が短かったことを理由に、慰謝料については結婚期間が長い夫婦に比べる精神的苦痛が少なかったことを理由に、少額になりがちです。, 財産分与の額は客観的に算出されますが、慰謝料は様々な要素を基に算出されます。 会社員の夫と専業主婦という夫婦というケースが多いですが、夫の給与は夫婦の協力があって初めて得られるのに、会社で働いていない妻が一切厚生年金に関与できないのは不公平だとして、結婚期間中に厚生年金を納付した期間分を将来考慮してもらえるという制度です。, そのため、反対に配偶者が自営業者のケースや、結婚中に国民年金にしか加入していなかったケースでは年金分割の対象にはなりません。 離婚慰謝料を請求できるのは、法定離婚原因を一方当事者が作った場合です。 3.1 性格の不一致では慰謝料が認められない理由 会社員の夫と専業主婦の妻のようにどちらかが外で働いていた場合でも、妻の内助の功が認められ、2分の1ずつ折半するのが原則です。, ただし、財産の貢献度に夫婦で大きな差がある場合は、財産分与で貢献度に応じた分け方がされる場合があります。 スピード離婚と財産分与・慰謝料・養育費の関係|性格の不一致や浮気の場合 (1)財産分与と慰謝料・養育費の関係とは. スピード離婚で妻からの慰謝料300万円を諦めさせた夫tさん ... ただ、夫が妻に不貞行為がなかった、慰謝料を支払う必要がないなどと主張しても、感情的になってしまい、当事者同士の交渉ではうまくいかないことが多くあります。 ... 性格の不一致; 芸能人の離婚などでもよく耳にする言葉ですが、明確にどのくらい結婚していたかという定義があるわけではありません。 性格の不一致で離婚したいのに夫から拒否されたときの進め方を4つの法則にまとめています。性格の不一致は離婚原因にはなりませんが、だからといって離婚を諦める必要はありません。 そのほかにも、親から財産を譲り受けた場合には、贈与契約書を作っておくことや、親の財産を相続した遺産分割協議書を残しておくこと、結婚前の預金通帳を保存しておくことで、特有財産であることの証明に役立ちます。, スピード離婚は婚姻期間が短いため、財産分与ができるのか、短い結婚期間中に夫婦で協力して財産を築いたと言えるのかが問題になります。, 結論としては、スピード離婚でも財産分与は可能です。 性格の不一致を理由にしたスピード離婚について . 財産分与は、前述のように、夫婦が結婚している間に築いた財産を分けあうものです。 子供の養育費は、夫婦の年収によって計算されるので、スピード離婚かどうかは関係ありません。, なお、前述のように、夫と妻との経済格差が大きいような場合は、経済的に弱い立場の配偶者が自立できるように、扶養的財産分与として金額が増えることもあります。, スピード離婚をする際の財産分与は、金額の見通しが立てにくく、特有財産と共有財産を混同しがちです。 【性格の不一致】とは何かを徹底解説!離婚したいという方の8割は「特に理由もない」というのが現状で、離婚原因ランキングの1位となっています。この記事では、性格の不一致で離婚する夫婦のホンネに迫るとともに、進め方や慰謝料請求が出来るのかなどをご紹介します。 旦那と性格が合わず家事、育児の協力、休日の家族サービスもありません。子供は一人で旦那の年収が4万円程度の場合、性格の不一致で離婚するときの慰謝料はどのくらいになりますか?私は週に5日パートで働いています。 婚姻期間6ヶ月で離婚です。 ... 性格の不一致. 男女共に離婚のきっかけで最も多い原因である性格の不一致。 一般的には慰謝料を獲得しづらい原因だといわれています。しかし、実際は2極化するようです。慰謝料請求のみのスピード解決か最高裁までいくか。それでは、実際の事例を見ていきましょう。 この記事では、性格の不一致で離婚できるケースや性格の不一致による離婚の慰謝料、性格の不一致による離婚の手順などについて紹介します。実は、どちらか一方だけが離婚原因を作ったわけではない場合、大半が性格の不一致による離婚といっても過言ではありません。 性格の不一致を理由に離婚する時、慰謝料を請求できるのでしょうか? これについては、基本的にできないと考えられます。 離婚の際、慰謝料が発生するのは、相手に「婚姻関係を破綻させたことによる責任」が認められるからです。 そのため、スピード離婚でも、裏切りの程度が大きいなど精神的苦痛が大きかった場合は高額な慰謝料を請求することも可能です。, 養育費は、子供の親権者になった親が、ならなかった側の親に対して、原則として子供が成人するまで請求できるものです。 不動産の評価額は不動産鑑定士に鑑定してもらうのが最も確実ですが、十~数十万円程度かかるため、不動産会社や銀行などに見積もりを依頼するケースも多いです。, マイホームの不動産価格が住宅ローン残高より高いケースを「アンダーローン」と言います。 これは、法律でも定められた権利になっています(民法768条1項)。 オーバーローンでは、マイホームを売却しても住宅ローンを完済できないため、この不動産には価値がないと言えます。, 夫婦のどちらもマイホームが不要な場合、マイホームを売却して住宅ローン残高に充当しても住宅ローンが残ります。 しかし、夫婦が結婚前に同棲していたような場合、2人の関係が内縁関係、つまり事実婚状態にあると認められれば、この間に築いた財産は2人で協力したものといえるとされ、財産分与の対象になり得ます。, そのため法的に結婚していた期間が短い場合でも、同棲期間などがある場合はあきらめずに、弁護士に相談されることをおすすめします。, 反対に、夫婦がすぐに離婚しなかったとしても、離婚を前提に別居していたような場合は、協力して財産を築く関係になかったとして、その間に築いた財産は財産分与の対象にならないことがあるので注意が必要です。, 財産分与は、夫婦が結婚中に築いた財産を分けあうものですが、慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償です。 アンダーローンでは、マイホームを売却すれば住宅ローンを完済できるので、不動産価格―住宅ローン残高=財産分与対象の価値と言えます。, そのため、夫婦のどちらもマイホームは不要という場合は、売却してローンを完済し、余ったお金を夫婦で折半することになります。 アンダーローンか、オーバーローンかによって、マイホームと財産分与の扱い方が変わるので、住宅ローンがある場合は弁護士に相談するメリットは極めて大きいです。, 反面、弁護士に相談するデメリットとしては費用がかかることです。 まずは、法律相談を利用して弁護士に見積もりを依頼し、じっくり話ながら依頼を検討してはいかがでしょうか。, 今回は、スピード離婚した場合の財産分与について、損をしないための注意点や、慰謝料、養育費との関係などについてお話しました。 ただし、結婚期間の長さは財産分与の額にも影響するため、スピード離婚の場合は財産分与の金額が少なくなります。, それでも、夫婦で協力して築いた財産があれば財産分与は可能なので、あきらめる前に一度弁護士に相談されることをおすすめします。, スピード離婚で後悔しがちなのは、財産分与を始めお金の問題をきちんと決めずに勢いで離婚してしまうことです。 2.1 性格の不一致で離婚が認められるには; 3 性格の不一致は慰謝料を請求出来るのか. 例えば、医師の夫が病院を経営し数億円の共有財産があったケースで、資産形成についての妻の貢献度が低いとして、2,000万円の分与しか認められなかった裁判例があります(福岡高裁昭和44年12月24日判決)。, また、財産分与は、プラスの財産ではなく借金も対象になります。 このような場合は、財産分与で夫婦の公平を図っていくことになります。, 結婚1か月でスピード離婚した方の中には、内縁関係の期間が長く、ようやく婚姻届けを提出したとたんに破局したという方もいらっしゃいます。, 原則として、財産分与は共有財産が対象になるので、財産分与の対象になる財産を築いた期間は結婚期間中ということになります。 離婚する際、離婚の理由によっては相手に慰謝料を請求できるケースもあります。しかし、離婚理由として多い「性格の不一致」では、相手に慰謝料を請求できないとされています。 それでは、性格の不一致で離婚する場合、相手に対して慰謝料請求をすることができるのでしょうか?このことは、慰謝料とはどのようなものかによって異なるので、まずはそこからご説明します。 性格の不一致だけで慰謝料の支払いが認められる可能性は低い. スピード離婚は勢いでしてしまうことも多いですが、特にマイホームや住宅ローンがある場合はしっかり検討して、離婚後の生活も考えておくことが重要です。, スピード離婚をしたり、または検討したりしている方で財産分与にお悩みの方は、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。. 6.1 性格の不一致で離婚したいと言われている中、妻が勝手に子供を連れて家を出ていきました。それでも親権は妻に有利なのでしょうか? 6.2 性格の不一致で離婚した後に元夫の不倫が発覚しました。慰謝料は請求できますか? マイホームを売却せずに夫婦の一方が住み続ける場合は、住む側が、出ていく側に、上記の財産分与対象の価値の半分のお金を別途用意して支払う必要があります。 離婚時に夫婦の一方による不倫や暴力などの明確な離婚原因がないときには、この理由に包括されることもあります。性格の不一致による離婚は、夫婦の一方に原因のあるものではなく、双方の合意による離婚となります。そのため、慰謝料も発生しません。 この記事では、「性格の不一致による離婚」を考える場合の離婚方法や養育費、慰謝料請求などについて説明します。たとえ不貞行為やdvといった事情がなくても、「もうこの人とはやっていけない」と配偶者との離婚を考えることはよくあることです。 様々な理由や事情でスピード離婚をした方の中には、財産分与で心配を抱える方が少なくありません。, また、今離婚をお考えの方の中にも、そもそもスピード離婚で財産分与ができるのか、財産分与が慰謝料に影響しないのかなど、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。, そこで今回は、スピード離婚と財産分与の関係について、財産分与で気を付ける点やスピード離婚特有の財産分与で損をしないための注意点や慰謝料との関係性について説明します。, スピード離婚とは、結婚してすぐに離婚することを言います。 また、性格の不一致とは言っても不貞など別の離婚原因が潜んでいることもあります。, 性格の不一致が原因で離婚したい場合には、有利に話を進めるためにも弁護士に相談しましょう。, 夫婦が離婚する場合、「性格の不一致」が問題になることは非常に多いです。周囲で離婚している人に離婚理由を聞いてみても、「性格が合わなかったから」ということが多いでしょう。このような「性格の不一致」とは、どのような状態なのでしょうか?, 法律用語ではなく、とても範疇が広い言葉です。個人の感じ方によってもその内容が異なります。たとえば、相手の食べ方や話し方が気に入らないだけでも「性格が合わない!」と感じる人もいれば、相手と話が全くかみ合っていなくても何も感じない人もいます。, ただ、お互いが性格の不一致を感じている場合や、一方が性格の不一致によって日々苦痛を感じるようになる場合などには、それが離婚につながるケースもあります。, このように、性格の不一致という場合、一般的に「どちらが悪い」というものでもなく、お互いの生活状況や考え方、性格などが合わないので、夫婦が居心地悪く感じる状態全般をいうと理解すると良いです。, それでは、性格の不一致が原因で実際に離婚してしまう夫婦は、世の中にどのくらいいるのでしょうか?離婚原因と言えば、不倫やDVをイメージすることも多いですが、これらと性格の不一致のどちらが多いのかも気になる方が多いでしょう。, 2013年に行われた調査によると、夫からの離婚申し立てにおいては、段突で1位の63.5%となっています。2位が精神的虐待(モラハラ)の17.4%、3位が浮気・不貞の異性関係で15.5%となっています。, 次が生活費を渡さない(経済的DV)の27.5%、3位が精神的な虐待(モラハラ)の24.9%となっています。身体的なDV(暴力)は、これに次いで4位の24.7%、不倫などの異性関係は5位の19.5%です。このように、夫側でも妻側でも、性格の不一致が原因で離婚したい人は非常にたくさんいることがわかります。, 一般的にイメージされる離婚原因である不倫や暴力よりも相当大きな割合を占めていることにも注目すべきです。, 結婚当初仲が良かった夫婦でも、だんだんと相手の性格が見えてきて、不一致を感じるようになることが多いからです。こうした場合、夫婦のすれ違いが続いて、いつのまにか離婚になってしまう、と言うことが多くなります。, こちらも読まれています新婚すぐに離婚を考えた時、今すぐ確かめておきたい3つのこと 新婚後すぐスピード離婚をしたくなっても自分の状況を客観視し、冷静な状態で「今後幸せになれるのか」判断すること。感情だけで...この記事を読む, それでは、性格の不一致を理由として離婚することはできるのでしょうか?そもそも、性格の不一致が法律上の離婚原因になっているのか、見てみましょう。, 民法に定められている離婚原因は、不貞(不倫、浮気)、悪意の遺棄(見捨てること)、3年以上の生死不明、回復しがたい精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由、となっています(民法770条1項各号)。そして、性格の不一致は、上記の最初の4つに該当しないことが明らかなので、5つ目の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが問題となります。, ここで、婚姻を継続し難い重大な事由とは、その前の不貞や悪意の遺棄などの4つに準じるくらい重大な事情である必要があると考えられています。, そして、単なる性格の不一致の場合、多くのケースで不倫や回復しがたい精神病などと同等のレベルの問題ではありません。, 法律上の離婚原因は裁判上の離婚原因なので、相手と性格が合わないと思っていても、裁判したら離婚が認められない可能性が高くなる、ということです。たとえば、「相手の話し方が気に入らなくて耐えられないから離婚したい」といって裁判をしても、裁判所は離婚を認めてくれないでしょう。, それでは、性格の不一致が原因の場合、一切離婚できないのでしょうか?実際には、そういうわけではありません。以下で、性格の不一致でも離婚できるケースを見てみましょう。, まず、法律上の離婚原因がないと離婚できないのは、裁判離婚が前提となっています。日本では協議離婚や調停離婚が認められており、これらの離婚方法では、夫婦が話しあいによって離婚することができます。この場合、夫婦双方が離婚に納得したら離婚ができるので、法律上の離婚原因がなくても離婚ができるのです。, たとえば、相手の話し方が何となく気に入らないだけの場合でも、相手に対して「我慢できないから離婚して」と言って、相手が「別にいいよ。ぼくも君が嫌いだから」と言った場合には、わざわざ裁判をして認定してもらわなくても離婚できます。, それでは、性格の不一致が原因の場合には、裁判で離婚することは絶対に認められないのでしょうか?実は、そういうわけでもありません。もともと性格の不一致が原因でも、そのことが大きな問題となって夫婦関係が完全に破綻してしまったケースでは、裁判離婚が認められます。, 日本では、離婚について「破たん主義」という考え方がとられています。これは、夫婦関係が破綻しているときに離婚を認める、と言う考え方です。そこで、元々の原因がどのようなものであっても、夫婦関係が破綻してしまったら離婚が認められる可能性があります。, たとえば、もともと夫婦の性格が合わず不仲になってしまったケースで、耐えられないので妻が実家に戻って別居してしまったとします。, 夫が住んでいる家が東京、妻の実家が九州で、お互いが完全に音信不通になります。この場合、双方が特に関わりを持つこともなく、5年や10年が経過してしまうこともあります。そうなってくると、この夫婦は、単に戸籍上「夫婦」となっているだけで、実際の夫婦としての実態はほとんどまったくありません。, そこで、このような場合、すでに夫婦関係が破綻しているとして、裁判によって離婚が認められる可能性が高くなります。, 夫婦が性格の不一致を感じると、不貞などの問題が起こることが多いです。相手に不満をもつので、どうしても他の異性に目が行ってしまうのです。不貞は法律上の離婚原因になっているので、不貞があると離婚が認められます。, たとえば、妻と性格が合わないことに常々不満を持っている夫が、会社の女性と仲良くなって不倫してしまったとします。そうなると、妻は裁判で争って離婚をすることができます。, こちらも読まれています夫(妻)の浮気で離婚!その前に知るべき事や弁護士に相談すべき理由を紹介! 配偶者の浮気(不貞行為)で離婚するカップルはたくさんいます。相手が浮気している場合、まずはその証拠を集める必要があります...この記事を読む, このように、性格の不一致が原因でも、必ずしも裁判で離婚ができない、というわけではないので、憶えておくと良いでしょう。, 次に、性格の不一致で離婚できないのがどのようなケースなのか、見てみましょう。これは、夫婦の一方のみが離婚を望んでいるけれども、まだ夫婦関係が完全に破綻したとは認められないようなケースです。, たとえば、妻は夫の態度が気に入らないので離婚したいと思っていても、夫は全く気にしていないケースがあります。このような場合、妻が夫に「離婚して」と言っても、夫は取り合わないでしょう。, 妻が家を出て行っても、夫はかいがいしく生活費を全額遅延せずに支払い、「いつでも戻ってきてほしい」と言っているとします。, このような場合、妻が離婚裁判を起こしても離婚は認められない可能性が高いです。このケースでは、夫婦関係が破綻したとは認められないからです。, こちらも読まれています離婚後のお金(生活費や退職金)はどうなる?年金貯金借金や慰謝料請求についても徹底解説! 離婚をするときには、お金の問題は切っても切れない重要な問題です。
目次. 『性格の不一致』をかかげて、いざ離婚!といきたいところですが、実は『性格の不一致』は法的な離婚理由になりません。性格の不一致では誰も悪くないので慰謝料ももらえないことも。。。リスクや親権について詳しくご説明いたします。 性格の不一致が原因で離婚する夫婦は非常に多いですが、性格の不一致は法律上の離婚原因にはなりません。離婚するには協議離婚や調停離婚による必要があります。 別居中や離婚後の生活費をどうするか、相手や自分の退職...この記事を読む, 以上のように、性格の不一致で離婚できるかできないかについては、専門的な判断が必要になります。自分ではわからないことも多いでしょうから、困ったときには弁護士に相談することをおすすめします。, それでは、性格の不一致で離婚する場合、相手に対して慰謝料請求をすることができるのでしょうか?このことは、慰謝料とはどのようなものかによって異なるので、まずはそこからご説明します。慰謝料は、相手に離婚原因を作った責任がある場合に、こちらが被った精神的損害を賠償してもらうためのお金です。, 有責原因で利根原因を作ったことについては不法行為となるので、離婚慰謝料が認められます。つまり、離婚慰謝料が認められるためには、相手に責任がないといけないのです。, ただ、一般的に性格の不一致という場合、どちらが悪いとも言えないことが多いです。そうなると、どちらかに有責性が認められる場合という慰謝料の前提がないので、慰謝料は発生しません。, たとえば、妻が夫に対して性格の不一致を原因として離婚を請求し、夫がこれに同意して協議離婚で離婚するケースがありますが、このような場合、妻は夫に慰謝料請求することはできません。夫が特に悪いことをしたわけではないからです。, この点、一般社会では、離婚するときには女性が男性から慰謝料をもらえると思い込まれていることがありますが、実際にはそのようなことはありません。相手に有責性がなければ、基本的に慰謝料は支払われないので、注意が必要です。, 性格の不一致が原因で離婚する場合、基本的には慰謝料は支払ってもらえません。このことは、裁判になった場合でも同じです。, ただ、性格の不一致が原因の離婚でも、慰謝料や解決金を支払ってもらえるケースがあります。たとえば、相手と話合いで離婚をする場合には、お互いが合意をしたら金銭支払いを約束することは自由にできます。そこで、先にご紹介した妻が夫に対して離婚請求した事案においても、夫が「お金を支払ってもいいよ」と言った場合には、夫が妻にお金を支払ってもかまわないのです。, ただ、このように夫に特に有責性がない場合には、慰謝料とは言わずに「解決金」という呼び方をすることも多いです。, 前述した通り基本的には慰謝料は認められないものの、不貞行為などが性格の不一致の発端とされる場合はそれに基づき10~50万円程度に慰謝料を請求することは可能です。, また、性格の不一致が原因として離婚前に相手が不抵抗を働いた…という場合でも相場程度の慰謝料を請求することが可能です。, この場合、性格の不一致が裁判上の離婚原因にならないので、夫が離婚に同意しない限り、妻は裁判をしても夫と離婚することができません。離婚するためには、夫に離婚を了承してもらうしかないのです。そこで、離婚を了承してもらう代わりにお金を支払う、というイメージです。この場合の妻による支払金の名目も、「解決金」とされることが普通です。解決金は、離婚問題を解決するためのお金です。, 性格の不一致が原因で離婚する場合でも、解決金ではなく純粋な慰謝料が支払われることがあります。それは、性格の不一致だけではなく、他の離婚原因が競合しているケースです。, たとえば、もともとは夫婦の性格の不一致が原因で夫婦仲が悪くなったケースでも、そのことによって夫や妻が浮気(不貞)してしまうことがあります。このような場合、不貞は有責行為ですから、不貞した方は慰謝料を支払わなくてはなりません。そこで、不貞された側は、離婚請求するときに相手に対して慰謝料請求ができます。, 以上のように、性格の不一致が原因でも、必ずしも慰謝料請求ができないわけではないので、憶えておくと良いです。, こちらも読まれています離婚慰謝料の相場はどのくらい?慰謝料請求できる条件も徹底解説! 離婚の際に慰謝料請求ができる場合はいくつかあります。確実に高額な離婚慰謝料の支払いを受けるためには、正しい知識を持って対...この記事を読む, 性格の不一致が原因で離婚する場合、子供の親権者はどのようにして決めるのでしょうか?この場合には、子供の親権者としてどちらが適切であるかという観点から決められます。たとえば、子どもとどのくらい一緒に過ごす時間があるのかや、今までの子どもとの関わり、今の子どもとの関係、子どもの現状、年齢などが考慮されて、総合的に判断されます。, 性格の不一致が原因で離婚したい場合には、周囲から「子どものために我慢したら」とか「我慢がない人だから、子どもは任せられない」などと言われることもありますが、夫婦の離婚原因と子供の親権者は別の次元の問題なので、こうした意見にまどわされる必要はありません。, ただ、自分勝手な考えをしていて子どもの将来について無関心な場合には、離婚原因以前に親としての適格性を疑問視されるので、親権者として認められない可能性があります。, 次に、性格の不一致で離婚する場合の財産分与について、見てみましょう。性格の不一致が原因で離婚をする場合にも、財産分与はできます。, ただし、先にも説明したように、性格の不一致のケースでは、裁判をしても離婚できない可能性があることに注意が必要です。そういったケースでは、離婚請求をしたときに、「離婚しても良いが、財産は全部こちらにほしい」と言われてしまう可能性もあります。, そうなったら、財産を諦めて(相手に渡して)離婚をするか、財産を優先してしばらく我慢するか、どちらかを選ばないといけません。, このように、性格の不一致で離婚する場合、法的には半分の財産分与の権利がありますが、実際の請求の場面で問題が起こってくる可能性があるので、注意が必要です。, こちらも読まれています財産分与は弁護士に相談|メリットや費用相場、探し方を紹介 離婚をするときには、離婚後の生活保障などのため、相手に対して財産分与の請求をすることが多いです。そのためには、適切に財産...この記事を読む, それでは、性格の不一致が原因で離婚をする場合、具体的にどのように手続きを進めていけば良いのかをご説明します。, この場合、まずは相手と話合いをすることが基本です。日本では9割以上の夫婦が話しあいによって、協議離婚の方法で離婚をしているので、まずは話合いをして、お互いが合意して離婚しましょう。これにより、双方とも離婚に合意すると言うことであり、親権や財産分与などの点についても特に問題がない場合には、離婚協議書を作成して離婚ができます。, 協議離婚で離婚をする場合には、協議離婚届をもらってきてそれに記入して、役所に提出したら手続きが完了します。, 協議離婚では離婚についての合意ができない場合には、離婚調停を行います。離婚調停は、家庭裁判所の調停手続きを利用して離婚をすすめる方法です。調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入って話を進めてくれるので、嫌な相手と顔を合わせることなく離婚の話ができます。この話合いによってお互いに合意ができたら、調停調書が作成されますので、それを役所に提出したら離婚ができます。, こちらも読まれています離婚調停の期間や流れは?費用からメリットまで徹底解説! 夫婦が離婚するとき、協議離婚では合意ができないなら離婚調停をする必要があります。離婚調停とはどのような手続きで、どのよう...この記事を読む, 調停でもお互いが離婚に合意出来ない場合には、調停は不成立になって終わってしまいます。この場合、次の段階としては離婚裁判(訴訟)があります。, ただ、性格の不一致が原因の場合、訴訟をしても必ずしも離婚が認められないので注意が必要です。裁判上の離婚原因がないと判断されたら、離婚請求は棄却されて無駄になってしまいます。, こちらも読まれています離婚裁判(離婚訴訟)の流れを分かりやすく5段階に分けて解説! 離婚裁判(離婚訴訟)は、まず家庭裁判所に「訴え提起」をするところから始まります。そして2回にわたる口頭弁論があり、判決へ...この記事を読む, ただ、元々の夫婦不和の原因が性格の不一致であっても、その後の経緯で夫婦関係が破綻していると認められたり、不貞などの他の離婚原因があったりする場合には裁判で離婚をすることも可能です。こうした判断が自分では難しい場合には、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。, 以上のように、性格の不一致を原因として離婚する場合には、いろいろと微妙で複雑な問題が多いです。, 性格の不一致が原因で夫婦仲が悪化している場合、内容や程度がさまざまなので、自分達では、そもそも離婚原因があるのかどうかわかりませんし、離婚すべきかどうかも判断がつかないことが多いです。離婚手続きを進める方法についても、協議がいいのか調停がいいのか、裁判しても勝つことができるのなど、悩ましい問題が多く発生します。, 逆に、自分が離婚したくないのに相手が突然「性格が合わないから離婚してほしい」と言ってくることもあります。こうした場合、適切な対処をとらないと、思わぬ不利益を受けることがあります。, たとえば、本来なら離婚しなくても良いのに相手から強く言われて離婚してしまうかもしれませんし、本来なら支払わなくても良いのに、相手から迫られて慰謝料を支払ってしまうかもしれません。性格の不一致の裏に不貞が隠れている事案も多いので、相手が不貞しているのに、気づかずに離婚してしまうこともあります。, 弁護士であれば、依頼者の希望を聞いて、依頼者の状況を判断して、もっとも適切な可決方法を導いてくれるからです。, 今相手と性格の不一致を感じていて離婚したいと考えている場合や、相手から突然離婚請求されて困っている場合には、自己判断で対処するのではなく、まずは離婚問題に強い弁護士に相談して、アドバイスをもらうことをおすすめします。場合によっては、弁護士に協議離婚や調停離婚、離婚裁判の代理人を依頼すると良いでしょう。, GeoTrustのSSLサーバ証明書を使用して、利用者の個人情報を保護しています。, 離婚後のお金(生活費や退職金)はどうなる?年金貯金借金や慰謝料請求についても徹底解説!, 養育費の平均相場は?離婚後の子どもの人数や夫(妻)の年収別に徹底解説!【令和見直し版】.