そのような時は、整形外科や膠原病・リウマチ科専門医へ紹介することがあります旨、ご了承下さい。, 外来受診は原則として予約制となります。特に初診の方は、ご来院前に必ずご連絡をお願いいたします。, 先日、「関節の痛みと女性ホルモン研究会」に参加してきました。講演会では、関節リウマチに詳しい先生や乳がん治療中の関節痛を診察されている乳腺外科の先生など、日頃接すことがあまりない先生方のお話を伺うことができました。, 今回は、産婦人科開業医の立場から、更年期あるいは乳がん治療中の手指関節痛にどのように対応すべきか、についてお話します。, 手指の関節痛を更年期障害の一つとして考え、HRTや漢方療法をしばらく行なっていても症状が改善しないことがあります。, そのような時は、整形外科や膠原病・リウマチ科専門医へ紹介することがあります旨、ご了承下さい。. この記事ではそんな更年期の手のこわばりの原因と対策、関節リュウマチ症状との違いについて詳しくご紹します。, 閉経頃になると卵巣機能が衰え、急激に女性ホルモンが減少することで起こる症状に、朝の手のこわばりがあります。, 更年期の手のこわばりは閉経後の半年頃が最も強い症状が現われ、閉経後数年で徐々に消えていきます。, 更年期の手のこわばりの症状は、関節に痛みを伴う事がありますが、一般的に腫脹が伴っていないのが特徴です。, また、握力がないために牛乳パックを開けられない、ボトル等の蓋が回せない、持った茶碗やコップを落とす等考えられない事が出てきます。, この症状改善には、朝起きた時に結んで開いての歌を歌いながらグーパーグーパー運動を繰り返すことで握力が回復します。, 閉経頃に女性ホルモンエストロゲンの減少で骨密度が低下し、骨粗鬆症になる方の80%が女性の方になります。, 女性ホルモンエストロゲンには、骨の新陳代謝で破骨細胞が古い骨を壊す、骨吸収を緩やかにし骨からカルシウムが溶け出すのを押される働きがあります。, 骨の新陳代謝は古くなった骨をメンテナンスし、新しい骨に生まれ変わっています。この骨の生まれ変わりをリモデリング(骨改変)といいます。, 健康な骨は骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨を作る働き)のバランスが保たれていることです。, このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ると骨粗鬆症になり、骨がもろくカスカスな状態になります。, 骨粗鬆症になると背丈が縮み、腰の痛みや背中が曲がる等の症状が現われ、転倒もしていないのにいつの間にか骨折したりします。, 血液中のカルシウムが足りないと骨からカルシウムが溶け出して補います。カルシウムの多い桜エビやプロセズチーズ、しらす干しなど多く摂りましょう。, このこわばりは重い物をもつと手がしばらく曲げられない、また重い物を長く持つと手が開けなくなります。, リウマチは全身の関節に症状が出ますが、特に手指の第二、第三関節のはれぼったく動かしにくい症状が見つけやすい場所になります。, 指の関節の腫れは紡錘形(円柱形で真ん中が太く両端が次第に細くなる形)で、指で押すとゴムのような弾力があります。またリウマチの関節の腫れは、左右対称に現われるのが特徴です。, リウマチの診断基準には、関節の腫れと痛みや血液検査、1ヶ月半以上続く関節炎や炎症の程度にあります。, 女性に多いばね指や手根管症候群、骨粗鬆症などの病気が、更年期の女性ホルモンの変動する時期に起きやすいことが知られています。, しかし、朝の手がこわばるや手がむくんでいる症状は、リウマチの初期症状にも起こります。, この様にリウマチと更年期の手のこわばりの初期症状が似ています。症状が続く方は専門の医師にご相談してください。, 女性ホルモンエストロゲンの減少はコラーゲンに影響を与え、コラーゲンの弾性や柔軟性など機能低下を来たし、腱の肥大化や腱鞘が厚くなり、筋肉がこわばり動きにくくなります。, この様に女性ホルモンの減少からコラーゲンが育成出来なくなることで、更年期の手のこわばりや関節の痛みなどが起こります。, 関節痛は骨と骨の表面にクッションの役目をする軟骨が、加齢によりすり減り土台の骨も変形し痛みが出てきます。, エストロゲンには骨を強くする働きがあります。エストロゲンと似た働きのイソフラボンはコラーゲンを増やし新陳代謝を高めます。豆乳や豆腐など摂りましょう。, 更年期の手のこわばりや関節痛には、バランスの良い食生活でホルモンの乱れを改善しましょう。, 関節の痛みにコラーゲンが有効です。コラーゲンを作るにはタンパク質とビタミンCが必要になります。, グルコサミンやコンドロイチン、コラーゲン等一緒に働く成分をバランス良く摂ることで良い結果が期待出来ます。, ブロッコリーや味付けのり、芽キャベツや茶葉など(なお、ビタミンCは4gから6g/1日必要です。), *グルコサミンのカニやエビは殻を砕いて食べることはないので、食事からは難しくサプリメントを活用される事が多いです。, 手のこわばりや関節痛は、安静にしていても改善されません。少し痛くても体を動かし血流を改善しましょう。, この様に体を動かすことで血流も改善され、軟骨細胞が血液から酸素と栄養を摂る事ができ、結果弾力を生み出す成分が分泌できるのです。, 朝の手のこわばりには、朝起きてすぐグーパーグーパをしっかり5回から10回行うことで、体の血流を改善することが出来ます。(グーパ運動の際、結んで開いての歌を歌いながらすると、手に力が入りやすいです), 頸椎の神経の働きが悪く、筋肉の緊張や弛緩がうまく調節できない為に手にこわばりが起こります。, 手に行く神経や血管が頸から出ており、頸が悪いと手のこわばりに影響しやすくなります。, お風呂にゆったりと浸かり温もって、ストレスや冷え症、血の巡りを良くし、手のこわばりや関節痛を改善させましょう。, またお風呂に入りながら、こわばった手や足のふくらはぎをマッサージし、血液の流れを良くすることで手のこわばりや関節痛の改善に効果を現します。, また、ホルモンの減少を穏やかにする働きがある有効な成分が入ってるサプリメントを摂取するも一つの手段になります。, 特に、高麗人参に多く含まれるサポニンという成分は、女性ホルモンの減少を穏やかにしたり、自律神経のバランスを整える作用があるので更年期の方にはおすすめです。, なんだか、最近ストレスが溜まっていると感じる方は、1度試してみるのも良いと思いますよ。, 今回は更年期や手のこわばりと関節リウマチの症状との違いやその対策についてご紹介しました。, 朝起きて手がこわばりや関節が痛いと、本当に悪い病気でないかと心配や不安で1日のスタートが出来なくなってしまいます。, 更年期の手のこわばりはホルモンバランスの乱れによるエストロゲンの減少によるもので、閉経後数年で症状がなくなります。, 朝起きたら手を結んで開いてを歌いながらグーパーグーパー運動を行ってください。血の流れが改善され動きが滑らかになります。, またバランスの取れた食事や少し痛くても運動を行い、生活の中で手のこわばりや関節の痛みを改善する工夫で、更年期を乗り切ってみましょう!. 更年期障害について、更年期に見られる症状の一つに手指の関節痛がある。理学療法士をしていますが、外来の患者さんの中には手指に関節痛があるけど、リウマチの検査では引っかからなかった。 .adslot_1 { width: 300px; height: 250px; } 更年期に起こる関節痛の原因. 今回は、産婦人科開業医の立場から、更年期あるいは乳がん治療中の手指関節痛にどのように対応すべきか、についてお話します。, 更年期は女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、のぼせ、発汗、抑うつ、不安など様々な更年期障害をきたすことがありますが、肩凝り、腰痛、関節痛などの筋肉関節症状がみられることも少なくありません。関節痛の中でも、特に朝の手指のこわばりについては、更年期障害の関節痛か、関節リウマチかの判断が難しいケースがあります。, 関節リウマチは自己免疫疾患であり、強い炎症反応を示すことが特徴であり、治療しなければ進行性に悪化します。一方、更年期障害としての関節痛は炎症反応を認めず、動かし始めはこわばりや痛みがありますが、動かしているうちに次第に痛みが軽快します。, 通常、手指の関節痛やこわばりがみられた方は、整形外科やリウマチ科を受診します。精査で関節リウマチや他の整形外科的疾患(変形性関節症など)が否定された場合、あるいは治療の効果がなかった場合、更年期障害の鑑別のために婦人科を受診される方が多いと思われます。, 関節の表面を覆っている軟骨が磨り減ると関節痛をきたします。軟骨にはエストロゲンの受容体があり、エストロゲンが減少すると軟骨が減少し、痛みや腫脹の原因になります。, もし、エストロゲン低下が原因の関節痛であれば、エストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)により関節痛が緩和する可能性があります。HRTの関節痛への効果に関する研究報告はあまり多くはありませんが、臨床では実際にHRTで関節痛が軽快する例を少なからず経験します。, 乳がんの術後、エストロゲンを減少させるためにホルモン療法が行なわれることがあります。その副作用として、いわゆる更年期障害がみられますが、手指の関節痛もその一つです。, 通常の閉経後であればHRTを行うことができますが、乳がん術後の方には行なうことができません。そのため、関節の組織に対しては女性ホルモンのように作用し、乳腺の組織に対しては増殖させない薬剤が必要になります。それが「エクオール(エクエル)」です。, エクオールとは、大豆イソフラボンが腸内のある酵素の働きにより変化した物質で、エストロゲン様の作用を有します。しかし、そもそも日本人の約半分は、その変換酵素を持っていません。もし、変換酵素を持っている方でも、毎日多量の大豆を摂取することは現実的に難しいでしょう。そこで、変換酵素を持っている方も持っていない方も、健康補助食品として「エクオール(エクエル)」の継続的な服用が勧められます。, エクオールは子宮内膜と乳線組織以外の組織に対して、エストロゲン様の働きを示します。したがって、各種更年期障害だけでなく、手指の関節痛の改善も期待できます。, ただし、乳腺外科医の中には、乳がん治療中の「エクオール(エクエル)」使用には慎重あるいは反対される先生もいらっしゃいます。当院では患者さまの乳腺科主治医がエクオール(エクエル)内服を許可される場合に限り、積極的に使用したいと考えています。, ホルモン剤が使用できない場合、漢方療法を行なうことがあります。更年期障害にも適応がある「五積散」は当院でも頻用しています。関節痛の代表的な漢方薬「ヨク苡仁湯」も使用することがあります。その他、「桂枝加朮附湯」は朝の手のこわばりに効果があり、「麻黄湯」などは関節リウマチなどに適応があります。, 更年期の手指の関節痛は、動かしていくうちに軽快することから、ご講演された乳腺外科の先生の施設では運動療法を行い、成果が上がっているとの事でした。, 手指の関節痛を更年期障害の一つとして考え、HRTや漢方療法をしばらく行なっていても症状が改善しないことがあります。