「もう少し様子を見てから病院に連れて行こう」となり、気付かぬうちに重症化してしまうケースも珍しくありません。, 難しそうな病名ですが、簡単にいうと「身体を上手く動かすホルモンが出なくなる病気」です。, 甲状腺から甲状腺ホルモンが分泌できなくなる、または少なくなるために起こります。犬において、甲状腺機能低下症のほとんどは、甲状腺自体の機能不全が原因であるといわれています。, 甲状腺そのものがなぜか萎縮して機能が低下してしまう。現在、原因はよくわかっていません。, 自己免疫反応(自分を病気から守る仕組みが、間違って自分自身を攻撃してしまう)により、甲状腺が破壊されてしまう。遺伝的素因が関係しているのでは?と考えられていますが、こちらもよくわかっていません。, 小型犬や大型犬に多い疾患です。また、5歳位からの発症が多いとされていますが、若い犬でも発症します。, 犬種としては、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シベリアンハスキー、ドーベルマン、ビーグル、シェットランドシープドッグ、アフガンハウンド、アイリッシュセッター、エアデールテリア、ボクサー、プードル、ダックスフンドなどでの発症が多くなります。, 予防することは非常に難しく、なによりも早期発見・早期治療してあげることが重要となります。, 甲状腺機能低下症は高齢の犬に多く見られる疾患であり、 飼っている犬「7歳」が甲状腺機能低下症と診断され、毎日薬を飲むことになりました。 体重6キロですが、病院で処方された薬は月に8400円程でした。ネットで調べるととても安価な薬だと書いてあり、月 … などの症状がでても「年のせい」だから仕方ないと考えられてしまうため、少しでも 犬が甲状腺機能低下症になった場合の寿命はどれくらい? 原発の甲状腺機能低下症で癌化もしていない 場合は、 甲状腺ホルモンを内服により補充 すれば 長生きできることが多いです。 癌の場合には転移の有無にもよるので明言は できませんが、寛解すれば予後良好な子が ほとんどです。 犬 2018年6月に10歳で亡くなった秋田犬オスは4歳のときに甲状腺機能低下症を発症しました。その症状と経過、治療方法と費用をまとめました。はじめは皮膚病のような症状最初の異変は、皮膚にあせものような赤いぷつぷつができて、かゆがっていることでし 「最近なんだかおかしいな」と思ったら診察を受けると良いでしょう。, 残念ながら完治はできない疾患ですので、治療としては、産生・分泌できなくなった甲状腺ホルモンを薬として投与する事になります。比較的安価な薬が多いので、経済的な負担も軽いでしょう。, 投与する量が多すぎると甲状腺機能亢進症という疾患を引き起こしてしまうため、数ヶ月おきなど定期的に病院で血液検査などの診察を受け、コントロールしながらの投与となります。, 1度発症してしまうと甲状腺ホルモン製剤は生涯投与する必要がありますが、適切な量のホルモン製剤を投与し続ければ、予後はいい状態が続きます。, また、他の病気の影響で発生した甲状腺機能低下症の場合には、その基礎疾患を治療することによりホルモン製剤の投与を中止できる場合もあります。, ※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。, 快適にわんちゃんホンポの記事が読める!見やすいカテゴリでみたいジャンルがすぐ見つかる。飼い主と愛犬のための犬専用アプリ。, 犬のために、犬の気持ちを知り、犬と共に暮らす。わんちゃんホンポは、あなたとわんちゃんの共同生活に色付けをする犬専門の情報サイトです。, なじみのない病名なので甲状腺機能低下症という病気は記事を読むまで知りませんでした。, 甲状腺の病気について詳しく知らなかった頃、動物病院で全身の毛が抜け落ちて皮膚も黒くすごく太ってるわんちゃんを見た事がありました。, 自分の愛犬(ヨーキーの女の子)は甲状腺機能抗進症(クッシング症)の方なので、その反対にコルチゾールが出すぎる方です。, 10歳のトイプードルは、元々てんかんの持病があり、定期検診を受け続けています。5歳のころの検診で、体重が激増していました。それがきっかけで判り、ホルモン剤を飲ませ始めました。手作り食ですが、食材も量も変えずに、体重が戻りました。 なんとなく悲しそうな表情をしていたのは、改善されてから、写真を見て気付きました。 最近、また動作が鈍く、少し悲しそうな顔つきなので受診しました。数値に問題が見つかり、ホルモン剤を少し増やします。高価なお薬ですが、とにかく早期発見です。定期検診も欠かさない事で、改善します。, 初期症状として「動きたがらない」「食事量が変わっていないのに太る」などがありましたが、年を取ると自然とそういう傾向にもなるので、見分けるのが難しいなと思いました。だから年だからと言って「おばあちゃんだからね」で済まさないで、気になることがあったら必ず相談するようにした方がいいなと改めて思いました。, こういった特殊な病気は原因が不明ということは遺伝的な要素がある犬種は気を付けるくらいしか手立てはないのでしょうか。気を付けるといっても、予防ができるような症状ではなさそうなので、症状に早く気が付いてあげるということが最大限で唯一飼い主としてできることかもしれませんね。, フレンチブルドッグの1歳8ヶ月♀に成ります。2歳前の健康診断で、甲状腺機能低下症を疑われ、只今詳しい再検査の結果待ちです。此れまで勿論、大きな病気もなく来ましたが、湿疹が中々良くなったり、悪くなったりだったので、先生の進めも有り今回、甲状腺の検査を追加しました。早期に診断診断まで出来そうなので、今はホッとしています。健康診断を受けて良かったと思っています。, 今、甲状腺治療中です、最初は足がおかしく病院かかったら、大きな病院に紹介され、色々検査したら 、貧血があるこの事3ヶ月貧血数値上がらず, この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。. 「散歩に行きたがらない」「元気がない」 その他では、 ・服用中の薬などが原因で起こるケース ・甲状腺機能亢進症 ※1


”甲状腺機能低下症”というとっつきにくい難しそうな病名ですが、「なぜ発症するのか」「どういう症状なのか」「どうすれば治るのか」など知りたいことをわかりやすくご説明致します。, 山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。, 甲状腺機能低下症とは、のどにある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの不足によって引き起こされる内分泌疾患で、特に高齢の犬に多く見られます。小型犬や、大型犬で多く見られる疾患です。, 甲状腺ホルモンは、エネルギー、タンパク、ビタミン、脂質代謝などに関わる動物の生命活動に必要なホルモンであり、身体への影響が大きいため、様々な症状があらわれます。, しかし、症状が現れても、加齢によるものなのか病気によるものなのか、境目が非常に難しいため、 「甲状腺」とは、体の新陳代謝を促進するホルモン(甲状腺ホルモン)を出す器官で、喉の中央(口から胸までの間の中間地点あたり)の気管の両側にある臓器になります。, 甲状腺は、脳の下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)を受取ると、食べ物に含まれるヨウ素(ヨード)を原料にして甲状腺ホルモンを生成。, トリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)という2種類のホルモンを分泌します。, この2種の甲状腺ホルモンが血液中に分泌され、全身に運ばれるわけですが、生命維持のためには、この甲状腺ホルモンが適正量で維持されることがとても重要になります。, そのため、甲状腺はホルモンに余分があれば甲状腺内に貯蔵し、あるいは量が足りない場合には、必要な量を分泌するようにして、体内の甲状腺ホルモンの量が常に適量になるよう調整しています。, それにともなって体中の各器官の機能が全体的に低下していき、その結果、体中の至るところで、さまざまな悪影響があらわれるようになります。, 通常、自分自身の体内にある免疫システムは、ウイルスなどの外部の敵に対し攻撃を仕掛けます。, ところが、この免疫システムが誤作動を起こし、正常な細胞(甲状腺)を異物とみなして抗体(攻撃部隊)を生成。甲状腺に対して攻撃を仕掛け、細胞を破壊してしまいます。破壊された甲状腺は萎縮または壊死してしまうため、甲状腺ホルモンの産出量が減少します。, 多くの場合、甲状腺機能低下症の原因はこれ(自己免疫反応)によるものとされていますが、免疫システムが誤作動を起こす原因自体は、いまだ解明されていません。, 上述のとおり、甲状腺は脳の下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)を受取ることによって、甲状腺ホルモンを産出します。, そのため、下垂体から「甲状腺刺激ホルモン(TSH)を出せ」という命令が届かない場合、甲状腺ホルモンは産出されず、甲状腺ホルモンの不足が生じることになります。, 二次性甲状腺機能低下症ともいいますが、これを原因とする甲状腺機能低下症はまれで、上述のとおり、多くは自己免疫性の甲状腺破壊(原発性)が原因と考えられています。, 甲状腺機能低下症はどんな犬でもかかる病気ですが、発症しやすい犬種もあり、遺伝性による発症も原因のひとつとして考えられています。, これらは、服用中の薬を止める(あるいは他の薬に変更する)、原因となる元の病気が治癒する、などによって甲状腺機能も正常化します。, これらの症状(とくに元気の消失)は、高齢犬では「老化によるもの」と考えがちですが、もしかすると年のせいではなく、甲状腺機能低下症によるものかもしれません。, では、「ちょっと不安になったから、愛犬が甲状腺機能低下症でないか調べてみたい」という場合、どのような検査をしたらよいのでしょうか。, 甲状腺機能低下症の診断に必要な検査はいくつかありますが、このうち必要最低限の検査内容と考えられている以下の4項目について解説していきます。, 上述のとおり、甲状腺ホルモンは全身の至る所でさまざまな症状を引き起こしますので、特定が難しい疾患のひとつ。, 上記の症状のうち、あてはまるものがあれば、「該当する症状」および「甲状腺機能低下症の疑いをもっていること」を正確に獣医師に伝えましょう。, ただし、血中ホルモン検査は、ほとんどの動物病院で検査は外部に委託しているケースが多く、外部に検査を委託するの場合、結果がわかるまでに少し時間を要します。, また、結果に影響を与えないよう、採血時間の8~12時間前は絶食を勧められると思います。各動物病院(獣医師)の指示にしたがうようにしてください。, 測定するのは、採取した血液の中に含まれる甲状腺ホルモンのうち、サイロキシン(T4)および遊離サイロキシン(FT4)の2つの数値。, FT4の数値が低いということは、働いている甲状腺ホルモンが少ないことを意味しており、すなわち、甲状腺機能が低下していることを示しています。, なお、甲状腺ホルモンはとても不安定な数値で、甲状腺に問題のない健康な子でも数値が低く出ることもあります。, ですので、この数値だけではなく、さまざまな要因を総合的に判断し、診断する必要があるのです。, 甲状腺刺激ホルモン(TSH)の働きは、甲状腺ホルモンが不足している場合に、「甲状腺ホルモンを出せ」という命令を送りホルモンを産出させる、というものでした。, ですので、①甲状腺刺激ホルモンが少ない、すなわち「命令がない」状態では、甲状腺ホルモンが産出されずに甲状腺機能低下症になる、ということは予想どおりです。, しかし、②甲状腺刺激ホルモンがたくさん出ているにもかかわらず、甲状腺が損傷を受けているために命令が伝わらず、甲状腺機能低下症となるケースもあります。, この場合、甲状腺刺激ホルモンは過剰に分泌されているため、数値は高くなりますが、甲状腺の機能は命令がきけない状態に損傷しており、「甲状腺機能低下症」と診断されます。, ② 甲状腺(女性側)の異常 (下垂体(男性)の命令は正常。甲状腺(女性側)に異常がなければ本来問題ない), ただし、犬の甲状腺機能低下症の場合、二次性・三次性を原因とするケースはほぼなく、多くは原発性のものが原因とされます。, ■※2正常値 参照元:株式会社ランス(小動物専門の臨床検査会社)(http://www.lans-inc.co.jp/inspection/data/naibunpitu1.pdf), ■※3異常値(診断基準)参照元:犬と猫の内分泌疾患ハンドブック(2011.9.11 版)松木直章(東大・獣医臨床病理学研究室)(http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/vcpb/endo-dx.pdf), 血液検査で調べることになりますが、同じく上記3つの数値(T4、FT4、TSH)の測定と同時に出来ますので、2回採血する必要はありません。, 当然のことながら、他の病気の治療を行います。他の病気が治癒すれば、甲状腺機能低下症も回復します。, なお、他の病気が何かにもよりますが、他の病気の治療と同時に、甲状腺機能低下症の治療のためのホルモン薬の投与を行う場合もあります。, 服用を止めても問題がなければ、服用を中止します。服用を止めて問題がある場合、他の薬に変えられないか獣医師と相談してみてください。, 言わずもがなですが、服用の中止・薬の変更は決して独断で判断せず、必ず獣医師に相談のうえ、決定するようにしてください。, ただし、変性を起こした甲状腺の機能が回復する見込みは少ないため、ホルモン製剤の投与は生涯続けていかなければなりません。, また、製剤の量にも細心の注意が必要で、製剤が少なければ症状は改善されず、多すぎれば甲状腺機能亢進症を起こし、かえって愛犬の体に危険を及ぼします。処方された薬の管理には十分に気をつけるようにしてください。, 甲状腺機能低下症にはさまざまな症状がありますが、「元気がない」「目に力がない」などの症状は、一緒に暮らす家族にしか気づくことが出来ません。, 上記の症状のうち、あてはまる項目が3、4個以上ある場合はもちろん、とくに現状ではあてはまる症状がなくても定期的な健康診断で血液検査を行うときには、「ついでに血中ホルモンも一緒に調べてほしい」と伝えてみるのはいかがでしょうか。, このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。, 1980年生まれ 九州生まれの九州育ち 現在は猫2匹と同居中 動物に関わる仕事してます, ちなみに、サイロキシンとはタンパクと結合したもので、ホルモンとしての機能はなく、ホルモンとして働くのは、タンパクと結合していない, 愛犬の血液検査の結果を知っておきたい方用のまとめ。全27項目について、正常値より高い時、低い時、それぞれ考えられる原因などを書き出してみました。, 愛犬が下痢や血便などの時に考えられる原因や便検査でわかることのまとめ。激しい下痢は感染症の可能性もあります。多頭飼育の方は十分ご注意ください。, 子犬は生後何週齢でワクチン(コアワクチン・狂犬病ワクチン・ノンコアワクチン)をしたらいいのか、接種スケジュールに関するWSAVA,VGGのガイドラインの考え方をまとめました。, 応急処置がないケースでは致死率49%なのに対し、応急処置が行われていたケースでは19%まで減少するとのデータもあります。応急処置の方法は必ず覚えておくようにしてください。, C・ウルセランス感染症は人畜共通感染症(犬→人、犬→犬へうつる病気)です。当感染症の疑いで動物病院を受診する際は二次感染予防のためにも、ご一報されておくと安心ですね。, ワクチンの接種スケジュールについて、WSAVAの国際的ガイドラインの『ワクチンは不必要に接種すべきでない』という考え方を軸に解説してみました。, 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)にかからないために必要なこと①犬もヒトもマダニのいそうな場所にいかない②愛犬のマダニ対策を行う③野生動物と接触しないよう注意すること、です。, 犬はとても我慢強い動物です。今現在も実際には強い歯の痛みを感じているのに、ぐっと我慢しているかもしれません。虫歯の治療をしたことがある方なら、その痛みはお分かりいただけると思います。気になる症状があれば、できるだけ早く病院を受診してみてください。, 犬の適正体重をBCS表でチェックしよう|肥満から理想体重を求める計算式【No.8】.

甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。つまり、活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンです。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。, 人では甲状腺ホルモンが多くなる病気としてバセドウ病などが、甲状腺ホルモンが少なくなる病気として橋本病などが知られています。, 詳しい原因は分かっていませんが、甲状腺が破壊されることによって起こります。甲状腺が破壊されると甲状腺ホルモンが分泌されなくなり、様々な症状が現れます。, 特定の犬種や家系で多発がみられることから遺伝的素因が関与している可能性が高いと考えられています。, よくみられる症状は、なんとなく元気が無く寝てばかりいる、食べる量は変わっていないのに体重が増える、体の毛が抜ける、などです。, 症状はゆっくり進行するため、変化に気づかないことも多く「歳をとって寝る時間が増えた」とか「太ってきたので動かなくなってきた」と考えていたのが、実は甲状腺機能低下症だったということは珍しくありません。, 甲状腺機能低下症の症状を、大きく以下の4つに分けて考えてみたいと思います。それ以外にも時に神経症状を出すことがあり、そして甲状腺機能低下は症状があまりに進むと、粘液水腫性昏睡と呼ばれる重篤な状態になり、場合によっては死亡することもあります。, 全身の代謝が低下することにより、安静時の消費エネルギーがおよそ15%低下すると言われています。そのため体重が増え、体温が低下するなどの症状がみられます。特に寒い地域では低体温に注意する必要があります。, 毛包の周期(ヘアサイクル)が停止してしまうことにより、徐々に脱毛が進行します。特に、体幹部の脱毛と尻尾の脱毛が目立ちます。そしてまれに、尻尾の毛が全て抜けてしまってネズミの尻尾みたいになることがあり、「ラットテール」と呼ばれます。甲状腺機能低下症による脱毛の場合には、痒みが無いのが特徴です。, 皮膚の免疫機能に障害が起こり、膿皮症やニキビダニ症の発生が増加します。そして、これらの皮膚病の治りが悪くなります。, 代謝が悪くなることにより、ムコ多糖という物質が皮下に沈着します。皮膚がたるんで見えますが、押しても圧痕が残らないので「非圧痕性浮腫」と呼ばれます。元気がない上に、皮膚がたるんでくるために、犬の表情が悲しそうに見えてきます。これを悲観的顔貌と呼びます。, 血液検査では、総コレステロールや中性脂肪などの増加(高脂血症)と軽度の貧血がみられます。また、ホルモン検査で甲状腺のホルモン濃度の値を確認していきます。, 甲状腺機能検査として、サイロキシン(T4)、遊離サイロキシン(T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の血中濃度を測定します。甲状腺機能低下症の場合には、T4およびfT4は検出限界以下に低下していることが多いです。また、負のフィードバック(ホルモンの量が多くなるとホルモン産生を抑制せよという生体内での働き)が欠如することにより、TSHは増加していることが多いです。ただし、TSHの増加が見られない場合でも甲状腺機能低下症は除外できません。, 甲状腺機能低下症の診断において最も問題となるのが偽甲状腺機能低下症(ユウサイロイドシックシンドローム:Euthyroid Sick Syndrome)です。これは、併発疾患や投薬などによって血中ホルモン濃度が低下する現象のことで、誤診の原因となりやすいので注意が必要です。これは、併発疾患(特に全身性疾患、消耗性疾患)、薬剤(プレドニゾロン、フェノバルビタールなど)、全身麻酔、外科手術などが引き起こす可能性があるとされています。一般にfT4はT4に比べてこれらの影響を受けにくいとされていますが、影響を全く受けない訳ではありません。, 治療は不足している甲状腺ホルモンを補ってあげることです。甲状腺ホルモン製剤(成分名:レボチロキシン、商品名:チラージンなど)を毎日与えることによって、すぐに元気が良くなることが多いでしょう。体重も少しずつ減っていくことが多いです。ただし脱毛などの皮膚の症状や神経症状は、改善するには時間がかかることが多いと言われています。, 治療を開始したら、定期的な血液検査が必要となります。これは、血液中のT4を投薬後4~6時間後に採血して測定します。その結果が、基準範囲の中央から基準範囲の上限よりやや高い値が理想であるとされています。ただし、これは動物の状態を見ながら判断する必要があります。, 甲状腺機能低下症では壊れてしまった甲状腺を元に戻すことはできないため、生涯に渡る投薬治療が必要になります。, 犬の甲状腺機能低下症について解説しました。この病気は、早期に診断し治療を開始することが大切なので、なんとなく元気がない、食べる量が変わらないのに体重が増えてきたそして体の毛が薄くなってきたなどの甲状腺機能低下症のサインに気付いたら、動物病院を受診するようにしましょう。. 甲状腺機能低下症はどんな犬でもかかる病気ですが、発症しやすい犬種もあり、遺伝性による発症も原因のひとつとして考えられています。 原因その④ 薬や他の病気.