刑法42条1項の趣旨は,2つあります(条解160頁)。一つは,犯罪の捜査および犯人の処罰を容易にさせるとともに,無実の者の処罰の危険を避けることです。もう一つは,犯人の改悛による非難の減少です。, 「捜査機関に発覚する前」とは,捜査機関に犯罪の事実または誰が犯人であるかが判明していないことをいいます(西田総論2版425頁)。捜査機関が犯罪事実および犯人を覚知していれば,犯人の所在がわからないだけでは発覚する前とはいえません(最判昭24・5・14刑集3巻6号721頁)。, 「自首」にあたるためには,ア捜査機関に対して,イ自発的に自己の犯罪事実を申告し,ウ訴追を含む処分を求めることが必要です。, 自発的に自己の犯罪事実を申告したといえるかどうかについて,裁判例の積み重ねがあります。捜査機関の取調べに対して単に自白するのは,自発的な申告にあたりません(大判昭12・3・20集16−387)。発覚前に犯人が何らかの犯行を捜査機関にほのめかしたため,取調べが開始され,その結果自供するに至ったような場合も自首に該当しません(名古屋高判昭29・6・17判特33−99)。ある罪について逮捕,勾留中であっても,捜査機関に発覚していない余罪を自発的に供述する場合は,自首にあたります(最決昭42・2・20裁判集162−441)。, 申告には,自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的または黙示的に含まれていることが必要です(条解162頁)。, 自首は,刑の任意的減軽事由です。自首をした者に対してその刑を減軽するかどうかは,裁判所の自由裁量になります。自首減軽により,法定刑の最高限と最低限をそれぞれ2分の1に減らして処断刑を算出し,その範囲内で具体的科刑をすることになります。. ▶「親告罪が設けられている罪」, 自首したらすぐその場で逮捕されるようなイメージをされている方が多いかもしれませんが、そのようなことはなく、自首がすぐに受理されるようなことは緊急逮捕等でない限りありません。
科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。, となります。例えば詐欺罪の場合、法定刑が10年以下の懲役となっています。自首による減刑が適用されると、5年以下の懲役となります。, 鳥取 | 島根 | 岡山 | 広島 | 山口 | 徳島 | 香川 | 愛媛 | 高知, まずお伝えのように、自首をしたからと言ってその場で逮捕されるようなことはほとんどありません。, その後、取り調べなどの事件の捜査が行われ、逮捕の必要があると判断されれば逮捕されます。自首後どれほどして捜査されるのか、逮捕されるのかも事件や状況によりますので一概に言えません。, 自首の後、捜査機関が逮捕の必要があると判断すれば逮捕されます。自首したという経緯があるので刑の減軽や早期釈放もありますが、逮捕後の流れについては通常と変わりません。, 逮捕後の流れについては以下のコラムをご覧ください。
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▶「刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応」, このコラムをご覧の方には、犯罪を起こしてしまい自首をお考えの方も少なからずいるでしょうが、自首をするまでにどのような方法を取るのが良いでしょうか。, 「自首したほうが良いのかどうか?」と、悩んでいる方も多いのですが、それは状況によって大きく変わり、自首するべきか、被害者と示談するべきか、そもそも犯罪ですらないというような場合もあります。
理由としては、自首してきた人物の犯人隠蔽も考えられるからです。稀にある事ですが、暴力団の幹部が犯罪を起こし、下っ端の暴力団員が「自分が犯人だ」と自首するようなケースです。, 後述しますが、自首した後は捜査が進められて、逮捕の必要があるとなった時に逮捕されますので、自首後すぐには逮捕されません。, 「罪悪感が増してきて自首する」「もう隠し通すことができないから自首する」と、自首の動機は様々でしょうが、刑法では自首をすることにより刑事手続きへの影響があることが明記されています。, 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。, と明記されています。しかし、これは任意的減刑事由であって、必ず刑の減軽が適用されるというわけではありません。, では、自首して減刑されるとなるとどれほど減刑されるのかと言いますと、これも刑法68条に明示されています。, (法律上の減軽の方法)
無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
第68条
更新日:2020.9.10, 【365日対応】【加害者側専門=不起訴1,518件の実績】刑事事件でお悩みの方が、いち早く日常復帰できるよう、全力でサポートします。秘密厳守の完全個室で、刑事専門弁護士とご相談いただけます。, アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。, 本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。. 三 自首者が,自己が犯した他の犯罪を隠すために,ことさらに当該事件につき自首したものでないかどうか。」と規定されています。 要件(2) 「自首」(刑法42条1項) また、犯人が誰であるかは分かっているものの、所在が分からない状況で、犯人自らが警察署などに申告しても自首にはなりません。例えば、指名手配などされていて、もう逃げきれないと観念したような場合が挙げられます。, 「自首」と似たものに「出頭」がありますが、この2つの違いは、捜査機関に犯罪事実や犯人が発覚する前か後かの違いです。発覚前であれば、ご説明のように自首になりますが、発覚後になると出頭となります。
自首以外の示談などの方法が必要だとなれば、弁護士が示談を行ってくれることもあります。そもそも事件性がなければ弁護士もそのことを伝えてくれるでしょうし、逮捕の事態になれば、その後早期釈放に向けた弁護活動の依頼もスムーズです。
刑法四二条一項の自首が成立するとされた事例(判例研究) 鈴木 晃 , Akira Suzuki 中京大学大学院生法学研究論集 = Chukyo Daigaku daigakuinsei hogaku kenkyu ronshu (8), 44-52, 1988-03-19 自首とは、捜査機関に発覚する前に、犯人が自発的に自己の犯罪事実を捜査機関に申告することをいい、捜査機関が犯人が誰であるか知っていて捜査中の場合には、法律上の自首とはなりません。また、申告する相手は、捜査機関となります。お気軽にご相談ください。 「自首」が成立した場合、犯罪を行っていても、刑が減軽されることがあります(刑法42条)。, ご相談でも、一定の犯罪を行ったが警察にそのことを言いに行った方がよいかというご質問がときどきありますが、自首が成立することを期待してご質問されている場合もあるようです。, ただ、法律上の自首が成立するためには、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首」(刑法42条)することが必要です。, まず、自首が成立するためには、自ら進んで自己の犯罪事実を申告することが必要です。したがって、当然、取調べに自白することは自首ではありませんし、取調べで余罪を自白することも、原則として、自白にはあたりません。ただ、ある犯罪について、取調を受けていても、警察等に発覚していない余罪を自発的に述べる場合は自首に当たるとされています。, 自首の動機は必ずしも反省からでなくてもよいとされています。そもそも、自首による刑の軽減が認められているのは、「第1に、犯罪の捜査及び犯人の処罰を容易にさせるとともに、無実の者の処罰の危険を避け、あるいは、予備罪等について犯行の着手を未然に防止すること(刑事政策的理由)、第2に、犯人の改悛による非難の減少(犯行後の情状による広義の責任の減少を認めること)にある。」(前田雅英編「条解刑法」160頁)とされていることからもこのような結論になります。, 自己の犯罪事実の申告であること、自己の訴追を含む処分を求めること、捜査機関に対する申告であることなどは、当然と思われるかもしれません。なお、親告罪(被害者等による告訴がなければ公訴を提起することができない罪)について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、刑が減軽されることがあります(刑法42条2項)。, 法律にいう「自首」と普通の方が「自首」の言葉を使われる場合にその意味にもっとも、ズレが生じるのは、その犯罪が「捜査機関に発覚する前」に行わなければ、法律にいう「自首」にあたらないということかと思います。テレビのドラマでも、明らかに法律にいう「自首」に当たらない場合でも「自首」の言葉を使っている場合があります。むろん、法律でいう「自首」に当たらない場合でも、そこに表れた反省等から、処分、刑等が軽くなることはありますので、一概に誤りとまではいえませんが、少なくとも意味については、理解して使用した方がいいかとは思います。, 捜査機関に発覚する前の「発覚」とは、犯罪事実及びその犯行を行った犯人の発覚のことです。したがって、この両方ともが捜査機関に既にわかっている場合は、犯人の所在がわからないという場合でも、その犯人が捜査機関に出頭しても、自首は成立しません。, ※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。.
法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
電話やメールなどでの相談も可能なので、弁護士に相談するということは考えておきましょう。, ※本診断結果は弊社独自の基準により算出されたものであり、弁護士の必要性について確約するものではありません。, ある程度重い罰則が設けられている犯罪では、そのまま身を隠し続けることは難しいといえます。そういった場合は準備を行ない、自首をすべきだと考えられます。ご自身でも自首の決断ができたのであれば、自首の準備をしていきます。
また、犯罪事実が身内などに発覚し、身内に連れられて警察などに出頭したのであれば、こちらは身内からの告発とみなされる可能性が高いです。, また、犯行を行った本人が自身の罰則や処分を求めていることも必要です。例えば、犯罪事実の一部を隠蔽するために申告したり、申告はしたものの刑事責任を否定しているような場合、自首とはなりません。
「最判平13.11.22」(集合債権譲渡担保契約と第三者に対する対抗要件)判例の「判事事項」(争点)、「裁判要旨」(結論)「判決理由」(理由)を掲載。 弁護士法人デイライト法律事務所|福岡の刑事弁護に強い弁護士による無料相談【福岡オフィス】〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-1-1 福岡朝日ビル7階 / 092-409-1068【北九州オフィス】〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野2-12-21 SSビル8階 / 093-513-6161
手頃な費用でいざというとき頼れる弁護士費用保険ですが、実は犯罪に巻き込まれてしまった(刑事事件の被害者となってしまった)場合も役立ちます。弁護士費用保険にかかる... 裁判の現場でよく聞く被告人は、被告・被疑者などの似た言葉と、大きく意味が異なります。また被告人になれば、できることやすべきことも大きく変わるのです。被告人の意味... 刑事事件でよく聞く被疑者という言葉ですが、「容疑者」や「被告人」とはどういった違いがあるのでしょうか。そしてもしも自分が被疑者になってしまった場合、どんなことが... 緊急避難とは、刑法で定められた違法性阻却事由の一つです。正当防衛も違法性阻却事由という点では同じですが、緊急避難と正当防衛は成立要件が異なります。具体例や判例を... 逮捕されて有罪になると前科が付きますが、前歴というものもあり、こちらは逮捕されただけで付きます。前科は間逃れても前歴が残ると今後の生活にどう支障がでるのか、そも... 刑事事件の流れとそれぞれの要所に応じた刑事弁護の方法、対処法をご説明していきます。身の回りで逮捕者が出てしまい、今後何とかしたいが、どのようにしていけばいいか困... 犯罪はいつ起きるのかわかりません。そのようなときに事件解決を果たすために活躍するものが私人逮捕です。犯罪から一般市民を守るために警察機関があります。, 少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容するための施設を言います。, 公開日:2016.11.10
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【判例】民法564条にいう「事実ヲ知リタル時」の意義 (平成13年2月22日最高裁). 例えばですが、親が死んだのに押入れに隠していた死体遺棄で申告したけれど、実は殺害もしていた(殺人罪)ような場合、殺人罪の自首は成立しません。, ここでの捜査機関は、司法警察員と検察官になります。司法警察員とは、簡単に言うと警察官の中でもある程度地位のある人物を言い、立場上の地位がない警察官は司法巡査となります。, ただ、司法巡査に申告したとしても、上司に報告することになりますので、結果的に司法警察員や検察官に申告が到達したのであれば自首が成立します。, 自首の成立について大事なことですが、捜査機関が犯罪事実や犯人が発覚していない段階で申告しなくてはなりません。ですので、既に容疑の疑いをかけられている段階での申告では自首が成立しません。
死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。
刑事事件専門の弁護士が自首について解説しています。渋谷青山刑事法律事務所(東京都渋谷区)では,刑事弁護の専門家が、性犯罪(痴漢・強制わいせつ・盗撮等)や薬物犯罪(覚せい剤、麻薬、大麻、危険ドラッグ等)を中心に全力でサポートいたします。 その際に使用したけん銃について虚偽の事実を述べるなどしたことが認められるとしても,, 「【判例】民法564条にいう「事実ヲ知リタル時」の意義 (平成13年2月22日最高裁)」. 【関連記事】
金銭債務の担保として、既に発生した債権と将来発生する債権を一括して譲渡する集合債権譲渡担保契約で、債権譲渡を第三者に対抗するための要件は何か。, 【参考】判事事項(原文) 金銭債務の担保として既発生債権及び将来債権を一括して譲渡するいわゆる集合債権譲渡担保契約における債権譲渡の第三者に対する対抗要件, 甲が、乙に対する金銭債務の担保として、甲の丙に対する既に発生した債権や将来発生する債権を一括して乙に譲渡することにして、乙が丙に対して担保権の実行として取立ての通知をするまでは、甲に譲渡する債権の取立てを許して、甲が取り立てた金銭について乙への引渡しは必要ないという内容の集合債権を対象にした譲渡担保契約で、契約した債権の譲渡を第三者に対抗するには、指名債権譲渡の対抗要件(民法467条2項)と同じ方法ですることができる。, 【参考】裁判要旨(原文) 甲が乙に対する金銭債務の担保として,甲の丙に対する既に生じ,又は将来生ずべき債権を一括して乙に譲渡することとし,乙が丙に対して担保権実行として取立ての通知をするまでは甲に譲渡債権の取立てを許諾し,甲が取り立てた金銭について乙への引渡しを要しないとの内容のいわゆる集合債権を対象とした譲渡担保契約において,同契約に係る債権の譲渡を第三者に対抗するには,指名債権譲渡の対抗要件の方法によることができる。, ステップアップファーストは、行政書士試験に合格するために、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの試験対策を行う「個別指導」にこだわった行政書士試験対策専門スクールとして、10年間で多数の合格者を送り出してきました。, 行政書士の資格取得を考えている方が、安心して行政書士通学講座を受講いただけるように、個別の受講相談(無料)を随時実施しています。, 駐車場は、建物の隣にあります。右側が時間貸、左側が月極で、左側の月極の「7番」が当スクールの駐車場です。.
今回は、「どのような場合、自首をすべきか?」「自首をするとどうなるのか?」「自首をどのようにすればいいのか?」と、罪を犯してしまい自首をお考えの方向けの内容を解説していきたいと思います。, 自首については、テレビドラマなどで見たこともあり、どのようなものかおおよそ検討がついている方が多いでしょう。, しかし、実はその理解が少し間違っていたりする場合もあるので、こちらでは自首とはどのようなものかを詳しく説明していきます。, 警察署等に自ら出頭すれば、自首とすぐに認められて捜査機関から逮捕されるようなイメージもありますが、必ずしもそのようなことはなく、自首が成立するには要件があります。, 第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。, 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。, まず、自首は犯罪を起こした本人が自ら自発的に犯罪事実を申告する必要があります。例えば、取り調べや職務質問中に、犯罪事実を自白したとしてもこれは自首とは言えません。
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親告罪の場合、告訴権者に犯罪事実を告げ、告訴権者にその措置をゆだねた場合も、自首と同じく刑が減軽される効果があります。, 例えば、一定の親族間の窃盗罪は親告罪なので「別居中の兄のお金を盗んだ」と告げ、兄が告訴したような場合、刑が減軽されます。
Copyright (C) 2020 判例集 All Rights Reserved. 拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
自首の要件は刑法42条に規定されており、刑の減軽を受けられる可能性があります。 (自首等) 第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。 中止犯(ちゅうしはん)あるいは中止未遂(ちゅうしみすい)とは、犯罪の実行に着手しながら、「自己の意思により」これを中止することをいい(刑法 第43条但書)、その刑は必要的に減軽または免除される。. 逮捕が不安な方は、自首をすることも検討してください。それでも心配な方は弁護士に相談してみましょう。, 刑事事件の被害者となったとき、弁護士への依頼で示談金の増額できる可能性があります。, 当然、弁護士費用も発生しますが、そんなときに役立つのが弁護士費用保険メルシーです。, 刑事事件の被害だけでなく、離婚や労働問題、ネットの誹謗中傷削除などでもお使いいただけます。, 実際にどれくらいの保険金が支払われるのか、補償対象となるトラブルにはどのようなものがあるのか、詳しい内容を知りたい方は資料請求してみましょう。. 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
犯罪を起こしたかもしれず、自首をお考えでしたら一度弁護士に相談したほうが良いと思われます。弁護士には守秘義務がありますので、他人に事件の内容を話すようなことはありません。自首が必要であれば、自首の準備や同行を行ってくれる弁護士もいます。
自首とは、捜査機関に発覚する前に、犯人が自発的に自己の犯罪事実を捜査機関に申告することをいいます。, すなわち、犯人が反省し、自ら進んで警察署に出頭したとしても、捜査機関が犯人が誰であるか知っていて捜査中であるような場合は、法律上の「自首」とはなりません。, したがって、申告の相手が、一般人はもちろん、弁護士、裁判官であっても自首とはなりません。, 前記のとおり、自首が成立するには、「捜査機関に発覚する前」に申告しなければなりません。, 具体的にご質問で多いのは、犯罪事実はわかっているが、犯人が誰かまで捜査機関が特定できていないような場合です。, 次に、犯罪事実と犯人が誰かが分かっていて、犯人の「所在」が分からない場合はどうでしょう。, 例えば、Aさんが窃盗したことは分かっていますが、Aさんが逃亡していて、現在、どこにいるか分からないような場合です。, この場合、「捜査機関に発覚する前」とはいえないとするのが裁判例です(最判昭24.5.14)。, また、犯人の氏名が判明していなくても、犯人の容ぼうやその他の特徴から犯人を他から区別して特定することができる場合も、犯人が不明であるとはいえず、「捜査機関に発覚する前」とはなりません。, 例えば、窃盗について、警察官から取り調べを受けていたAさんが、他にも余罪があるという警察官の抱いた嫌疑によって追求を受け、観念して余罪を自供したような場合です。, 反対に、警察官が既に捜査対象となっている事件以外に嫌疑がないと最終的に判断し、追求がなくなった状況下において、Aさんが自ら進んで余罪について自供した場合は「自首」といえるでしょう。, 「ある被疑事実について取調べを受けていた被疑者が、他にも余罪があるのではないかという捜査官の抱いた嫌疑によりその追及を受けた結果、余罪についての犯行を自供するにいたつた場合は、自らすすんで犯行を自供したものと言えず、この場合に自首を認めることはできないけれども、本件のように、警察官が余罪について自供を得たもの及び既に捜査対象となつている事件以外には嫌疑がないと最終的に判断し、したがつてその追及もなくなつた状況下において、自らすすんで新たな余罪についての犯行を自供するにいたつた場合は、刑法四二条一項にいう自首にあたると解するのが相当である。」, また、挙動不審者として職務質問を受けていた犯人が、種々弁解した後に自供したケースも「自首」にはあたらないとした裁判例もあります(最判昭29.7.16)。, 自分では「自首」に該当すると思っていても、実は「自首」とはならないケースは多くあります。. 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
出頭となると、後述する自首をしたことによる効果がないことになります。ただ、出頭したという事情を考慮され処罰に影響することは考えられます。, 上記で、自首は捜査期間に申告することが条件の一つだとお伝えしましたが、親告罪の場合、告訴権者(被害者など)からの告訴がなければ刑事手続きがされませんので若干違ってきます。
「刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法」, 刑事事件ではスピードが肝心だと度々お伝えしていますが、一番早い対処法として自首があるでしょう。, もしも犯罪を起こしてしまっても、まだ逮捕されていないのであれば、心配な毎日を過ごしている方もいるでしょう。
弁護士費用は安くはなく、ある程度の費用が発生しますが、事件を早急に解決して、社会生活への影響を少しでも少なくするためにも致し方無い費用かと思われます。, 状況によっては、被害者との示談交渉が適していたり、逮捕されてその後の弁護活動を行なっていくこともあります。, 同行以外にも弁護士に依頼するとなると、それ相応の費用が発生します。以下のコラムも参考にしてみてください。
自首が成立するのはどのような場合でしょうか。 「自首」が成立した場合、犯罪を行っていても、刑が減軽されることがあります(刑法42条)。 ご相談でも、一定の犯罪を行ったが警察にそのことを言いに行った方がよいかというご質問 …
お伝えの通り、既に犯罪事実や犯人が発覚している場合、自首が成立しなくなることもあるので、早めに管轄の警察署に伝えることから始めましょう。, 自首は口頭でも可能ですが、受理させるためには、事件の概要を記した書面があると自首の受理もスムーズになります。, 自首は事前に警察に連絡を入れ、あらかじめ日程を調整して出頭することもあります。どうしても不安な方は、自首に同行してくれる弁護士もいますので同行を依頼してみても良いでしょう。, 最後に、どうしても一人で自首することが不安な方は、弁護士に同行を依頼することもできます。普段弁護士と接点がある方も少ないでしょうから、ここでは弁護士の選び方と費用についてご説明します。, まず、弁護士と言っても得意分野が違います。自首をお考えでしたら、刑事事件に詳しい弁護士を探しましょう。, 【刑事事件弁護士ナビ】では、刑事事件が得意な弁護士を掲載していますので、弁護士選びに活用してみてください。, 自首の同行に関しては、珍しいケースなので具体的な金額は直接弁護士事務所に問い合わせしていただくことをオススメしますが、相場としては10〜40万円程度です。
自首(じしゅ)とは、犯罪が起きた事や犯人が分かっていない段階で、犯人自らが捜査機関(おもに警察官)に犯罪事実を申告し、処分を求めることを言います。, 犯罪を起こしてしまってもまだ逮捕などの刑事手続きがされていない方もいるかと思います。
刑法42条1項の自首が成立 (平成13年2月9日最高裁) 事件番号 平成12(あ)1006 最高裁判所の見解 被告人は,けん銃1丁を適合実包と共に携帯して所持し (銃砲刀剣類所持等取締法3条・・・ 三 自首者が,自己が犯した他の犯罪を隠すために,ことさらに当該事件につき自首したものでないかどうか。」と規定されています。 要件(2) 「自首」(刑法42条1項)