"item": まず最初は、民法改正で「時効期間」が変更になるという点です。人損(人身損害)の損害賠償請求の時効期間が、3年から5年に延長されたところが、交通事故の処理上では大きいと思います。なお、物損(物件損害)の方は3年のままです。 } }, まずは、加害者(加害者の窓口となる任意保険会社を含みます。)に対し、直接、賠償を請求する場合における時効の定めを確認していきます。なお、時効に関しては、「加害者」と「加害者側の自賠責保険」は別に考える必要がありますので、混同されないようにしてください。自賠責保険に対する請求については、後述いたします。 "item": ] 健康保険による求償請求|osakaベーシック法律事務所による情報量最多レベルの弁護士交通事故専門サイトでは法律相談(初回1時間無料)を受付けています。賠償金、後遺障害、慰謝料、保険金などの保険会社との交渉もお任せ下さい。 } "@id": "/koutsujiko/indemnity/", 一種の債権である損害賠償請求権は、行使しないと消滅してしまいます。不慮の交通事故に遭ったうえに、見合った損害の賠償を受けられなくなってしまっては本末転倒です。, ただでさえ、交通事故によるストレスや負担がかさむ中、時効が迫ってくると、焦りによる新たなストレスが生じてしまいます。焦って妥協した示談内容に応じてしまうのではなく、できるだけ早い段階で、交通事故に精通した弁護士に一任しましょう。 }, 「時効」は正式には「消滅時効」と呼ばれ、時間の経過によって権利を消滅させてしまう効果があります。交通事故における被害者の権利も例外ではありません。事故の当事者双方が対立していたり、加害者の方が任意保険に加入していないような場合には、加害者側との間で交渉が進まず時間だけが経ってしまい、いつの間にか時効完成間近になっているケースがしばしば見受けられます。, しかも、交通事故で生じた被害は、加害者に直接請求する以外にも、様々な方法によって回復を図ることができ、場合によっては、加害者に請求する前に、別の手続を先行させた方が有利な結果になることもあります。そしてそれらの各手続きは、それぞれ時効に関して異なる定めを有しており、それぞれ独立して管理する必要があります。, そのため、時効に関して誤解があると、知らぬ間に有利な解決を図る選択肢が消滅したり、加害者に責任を追及できないといったことが起きかねないのです。この記事では、そんな時効に関する知識を、交通事故事件を多数担当する弁護士の視点から徹底解説いたします。, まずは、加害者(加害者の窓口となる任意保険会社を含みます。)に対し、直接、賠償を請求する場合における時効の定めを確認していきます。なお、時効に関しては、「加害者」と「加害者側の自賠責保険」は別に考える必要がありますので、混同されないようにしてください。自賠責保険に対する請求については、後述いたします。, 時効が成立する条件については法律の改正がありましたが、新旧の法律を通じて、次の部分については概ね変更がありません。, 1.被害者又はその法定代理人が、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき2.不法行為の時から20年間行使しないとき, また、法律の改正によって、「人の生命や身体に対する損害」(治療費をはじめ、怪我や治療に伴って生じた減収や精神的な苦痛等。)については、2020年4月1日時点で、「3年」が経過していない場合、「損害及び加害者を知った時から5年間行使しないとき」に時効が成立します(新民法724条の2)。, 時効の期間は、「損害を知った時」から起算されます。以下、それぞれのケース別に詳しく解説します。, 自動車の修理費を請求する場合には、自動車が壊された日ということになりますし、怪我の治療費や、怪我に伴う休業の補償等を求める場合には、怪我をした日と考えるのが素直です。このような場合、「損害を知った時」とは、「事故が発生した日」を指すことになります。, 怪我に対する慰謝料は治療の実績に応じて算出されるため、怪我に関する賠償請求は、治療を終了した日が「損害を知った時」になるという考え方もあります。しかし、時効による権利喪失を防ぐ意味では、念のため、「事故発生日」を起算点として時効管理をすべきでしょう。, 「後遺障害」とは、治療を継続しても、回復が期待できないような症状が残ることをいいます。治療を始めた時点では完治すると思っていた怪我が、長期間懸命なリハビリをしたにも関わらず、症状が残ってしまった場合を考えてみてください。このような例では、被害者の方が、「回復しない症状が残る」という損害を事故が発生した日に「知った」とは評価しづらいものです。, ですから、「後遺障害」に関する損害は、「症状固定(症状の回復が期待できない状態であること)の診断を受けた時」を、「損害を知った時」と考えるのが一般的です(最高裁平成16年12月24日判決)。, 事故の被害者の方が亡くなられた場合における「死亡の損害」は、亡くなられた日を「損害を知った時」とすることになります。, 以上のとおりですから、加害者、及び、その窓口となっている任意保険会社に対する賠償請求の時効は、次のとおり整理されます。, (注)加害者や、加害者側任意保険会社が損害の一部を被害者や医療機関等に支払った時は、その時から再度時効期間が進行します。, 時効の完成期間の経過が迫ってきた場合であっても、「時効の中断」手続をとることで、時効の完成による権利の消滅を防ぐことができます。時効を中断させた場合、その時点から、再度、時効期間が進行することになります。, 交通事故においては、主として、「請求」、または、「承認」という方法で時効の完成を防ぐことができます(民法147条)。加害者側が任意保険に加入している場合には、「承認」によって中断を図ることがほとんどであり、「請求」による中断は、加害者側に任意保険がない場合に用いることが多いものです。以下で、詳しくご説明いたします。, 「請求」という単語の意味だけを考えれば、単に加害者側に支払いを求める連絡をすれば時効の中断が完了するようにも読めますが、これは大変危険な誤解です。, このような裁判所を介さない請求の連絡は、法律的には「催告」というものに分類されるのですが、「催告」は、その後6ヶ月以内に裁判や調停など、裁判所を介した手続によって再度請求をしなければ、時効の中断が生じないとされています(民法153条)。, もちろん、最初から裁判所を介して請求しても問題なく時効を中断できます。そのため、時効を中断することを目的として「請求」するのであれば、裁判所の手続を用いることを念頭に置く必要があるのです。, 「承認」とは、加害者が、被害者に対して賠償義務があることを認めたり、賠償義務があることを前提とした振る舞いをすることを指します。, 典型例は、保険会社による治療費の支払いです。加害者側の保険会社が、本人に代わって医療機関に治療費を支払う行為は、被害者に対する治療費の賠償義務があることを前提とした振る舞いですから、支払行為の度に「承認」によって時効が中断するのです。, 治療が長引いており、示談交渉や裁判が時効によってできなくなるのではないかと不安を口にされるご相談者様もいらっしゃいますが、加害者側の保険会社が治療費を負担していた時期がある場合には、最後に医療機関に対し支払いを実施した日が起算点になりますので、確認されると良いでしょう。, そのほか、保険会社と没交渉になっていたり、加害者本人と交渉している場合には、加害者側に「交通事故によって生じた損害について、金額については今後の協議によって決するものの、賠償義務があること自体は争いません。」といったことを記載した書面を差し入れてもらうことでも「承認」があったものといえるでしょう。, 冒頭でも少し触れましたが、交通事故の被害は、加害者以外に対する請求手続によっても回復を図ることができます。例えば、被害者にも一定の過失割合がある場合や、加害者が任意の保険に加入していない場合、加害者の任意保険会社が誠実な対応をしてくれない場合等においては、これらの手続きが非常に重要になります。, 色々な手続きがありますが、この記事では、よく利用を検討する「自賠責保険」「労災保険」「健康保険」について、それぞれの時効制度を解説いたします。, 交通事故の加害者が、自動車や自動二輪車に乗車していた場合、加害者は任意保険会社のほかに、「自賠責保険」に加入していることが通常です。自賠責保険は、加害者の賠償義務のうち、生命や身体に関連する損害については、国が定めた「支払基準」の範囲で肩代わりするものです。, 法律上、被害者が直接、自賠責保険に対して保険金を請求することも認められていますから(自賠法第16条)、加害者が無保険であったり、支払義務が争われている場合にはきわめて重要な請求権となります。, 加害者に対する請求に類似し、「損害を知った時」から3年とされています(自賠法第19条)。これは、基本的には加害者に対する請求とパラレルに考えていただいて差支えありません。, つまり、被害者による自賠責保険金請求の時効は、お怪我の損害は「事故発生日」、後遺障害の場合は「症状固定日」、死亡の損害は「死亡日」を起算点として管理すべきものなります。, 自賠責保険に対する直接の請求権と、加害者及び任意保険会社に対する直接の請求とは、相互に独立して時効が進行するために注意が必要です。, 例えば、加害者との間で後遺障害の賠償に関する交渉をする場面においては、その前提として、自賠責保険に対して後遺障害の補償を直接請求し、後遺障害を認定してもらうことがあります。, しかし、自賠責保険側が思うように後遺障害を認定してくれないため、何度か手続きをやり直しているうちに症状固定日から3年(5年)が経過した場合、加害者との関係では時効が完成してしまうのです。, 自賠責保険に対する時効を中断するためには、正式に自賠責保険に対して直接の支払請求をすることが考えられます。しかし、よりシンプルな方法として、「時効中断のための申請書」が用意されていますので、これを自賠責保険会社に対し提出することによっても、中断の効果を得ることができます。, なお、繰り返しになりますが、このような方法によって自賠責保険金の請求権に関して時効を中断させたとしても、加害者に対する請求権は時効が中断するわけではありませんので、くれぐれも注意してください。, 労災保険とは、労働者が、「業務上の事由又は通勤」によって被害を被ったときに、これを補償するものです。出退勤中に交通事故に遭ってしまった場合には、労災保険に対して補償金を請求できます。, 例えば、加害者が何らかの理由で治療費や休業損害を支払ってくれない場合、労災保険における「療養(補償)給付」、「休業(補償)給付」を請求して、当面の費用を工面することが考えられます。, 労災保険からは慰謝料にあたる保険金が支給される制度はありませんから、労災保険金を受け取り、治療がひと段落した時点で、改めて加害者側に慰謝料を請求することになります。この場面でも、労災保険とは別に加害者側に対する請求の時効を管理しておく必要があります。, また、詳細は割愛しますが、被害者にも一定の過失割合が認められる場合や、怪我による休業の必要性を立証することが困難な場合には、治療費や休業損害を労災保険から回収した方が、後に慰謝料を多く回収できる可能性があります。そのため交通事故においても、労災保険はきわめて重要な役割を持っています。, 労災保険における主な給付の時効は、次のように定められています(労災保険法第42条)。, 事故が発生した日から一斉に進行するものではない点が特徴的です。治療費や休業損害等、2年の経過によって時効が完成してしまうものもある等、加害者に対する請求の時効とはまったく異なるので、注意が必要です。, 労災保険に関しては、加害者に対する請求と異なり、時効の中断に関する定めがありません。そもそも労災保険の請求先は日本政府ですから、労働者の方に「承認」してくれたりもできませんし、政府が何らかの決定をしなければ裁判所を介した請求もできなくなっています。, そのため、労災保険においては、時効期間中に、請求書の提出さえしておけば、時効によって不支給とはしない運用が図られています(参考文献「元厚生労働事務官が解説する労災保険実務標準ハンドブック(日本法令・2015)」)。, 加害者が自転車である場合、自賠責保険もなく、任意保険に加入していないことがあります。また、被害者にも一定の過失割合が見込まれる場面では、高額の治療費を加害者側の保険会社に全額負担させてしまうと、後に受け取る慰謝料等が大幅に削られてしまいます。, このような場面では、治療費や休業による損害を抑えることは非常に重要であり、健康保険が役立ちます。特に、長期間の入院を要するときは、高額療養費制度を用いて一定の金額を超える治療費をすべて健康保険側に負担していただくことができるので、活用しましょう。, 以下が、健康保険における主な支給金に関する時効です(国民健康保険法第110条、健康保険法第193条)。加害者側に対する請求とは異なりますので、注意が必要です。健康保険給付の申請をすることで実質的に時効が中断する点も含めて、労災保険によく似ています。, 以上のとおり、ひとえに時効といっても、交通事故の解決を図る場面では、様々な手続・制度があります。また、実際の交通事故事件においては、被害者の方にとって有利な解決を獲得するために、加害者に対する直接の請求に先行して、労災保険、自賠責保険、健康保険を複数組み合わせて併用することもあり、そのような場面においては、例外的な取扱がされていることもあります。, 被害者の方が、これら各手続の時効を管理しつつ、適切な手続を選択することは大変な負担となります。加害者側との話し合いが進んでおらず、実際の請求までに時間を要する場合や、事故が発生してから長期間が経過している場合はもちろんですが、事故に遭われてしまったら、まずは交通事故のノウハウが豊富な弁護士にご相談ください。, 時効管理も含めて専門家に依頼されることで、日々の生活と並行して生ずるご負担を取り除き、治療にもご専念いただきたく存じます。, TEL:0120-783-849 / 平日:09:00~18:00 / 定休日:土・日・祝祭日. "@type": "ListItem", 3.当事者の一方が相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、通知の時から6ヶ月を経過した時, 時効の更新 を行うには、加害者側に債務を認めてもらう必要があります。これを「債務の承認」といいます。 "itemListElement": では、加害者側に損害賠償金の支払い義務を認めてもらうには、どういった方法があるのでしょうか? 「時効の更新」とは、それまでの時効がリセットされて新たなカウントが始まるという制度です。更新を行うには、訴訟や強制執行等にくわえて、「債務の承認 」といった方法があります。 "item": 選択する方法によって新たな時効期限が異なる等、それぞれ特徴があるため、以降詳しく解説していきます。, 時効の完成猶予を行うには、当事者により協議を行い、書面による合意がなされる必要があります。合意書を交わすことができた場合は、以下のいずれか早い時までの間、時効完成が猶予されることになります。, 1.合意があった時から1年を経過した時(通算で最長5年まで延長可) 注意点としては、催告は1度しか行うことができないという点です。そのため、延長された時効6ヶ月の間に、訴訟の 準備をする必要があります。, 加害者側の保険会社は、時効を理由に示談を急かしてきます。期限が迫ると自ずと焦りが生じてしまうものですが、いい加減な示談内容に焦って応じないことが極めて重要です。時効が迫るなか示談交渉に折り合いがつかないということは、重傷を負われていたり、後遺症が残っていたりと、請求できる損害賠償金額が高額となるケースが多いです。時効は完成猶予・更新 することができるため、焦って妥協した示談内容に応じないようにしましょう。, 示談交渉がなかなか進まない場合は、公正な第三者機関を利用することで解決する方法があります。具体的には、交通事故紛争処理センター、そんぽADRセンター、日弁連交通事故相談センター、保険オンブズマン、自賠責保険・共済紛争処理機構等です。, これまで、交通事故の損害賠償請求における 「時効」にスポットをあてて解説してきました。加害者側の保険会社は、自社の損益を鑑みて、できるだけ負担が少ないよう巧みに交渉してきます。その術として、時効を活用する担当者も少なくないでしょう。時効が迫っていることに焦りを感じ、妥協して示談に応じてしまうのではなく、「時効の完成猶予」「時効の更新」 を行使できるかどうかという点が、適正な損害賠償金額獲得のためのカギとなります。 時効の起算日が令和2年4月1日より前の場合は、改正前の時効が適用となりますので、ご注意ください。, だれしもテレビニュース等で「時効」というフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか? "name": "損害賠償" 民法724条の2(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 交通事故に遭い損害を受けてしまったとき、損害に対する賠償を請求することができます。この請求権は、30年先、40年先まで、期限の定めなく、いつでも主張できるのでしょうか? "@id": "/koutsujiko/", 実務上は、治療が長引いたり、後遺障害等級認定に時間を要したりし、時効を迎え そうな場合は、時効更新の申請書(承認書)を相手方保険会社に送付し、保険会社から時効更新 の承認をもらいます。, 加害者が自賠責保険や任意保険に加入している場合、債務の承認を得る方法の1つとして、相手方保険会社からの示談金一部仮払いが挙げられます。示談金の一部仮払いを受けることによって相手方保険会社が債務を承認したとみなされるため、支払いを受けた翌日から時効が再カウントされます。仮払いを受けた示談金の一部のことを、自賠責保険の場合は「仮渡金」、任意保険の場合は「仮払金」といい、怪我の症状によって上限額が決まっています。注意点としては、この仮払いにより示談成立と主張されてしまうケースもあるため、書面を取り交わしておくようにしま しょう。, 時効の完成猶予・更新の方法として、訴訟や催告といった手段もあります。完成猶予は「裁判上の請求」、「催告」、更新は「確定判決」によって所定期間の完成猶予・更新が認められます。しかし、訴訟手続等はハードルが高く感じるものです。それぞれの手段によって所定期間が異なったり、強制執行等他の手段もあったりしますので、不安な方は弁護士に相談・依頼されることをおすすめします。, 訴訟を提起したことにより、時効の完成が猶予されますが、判決が確定したあとの損害賠償請求権の時効は10年になります。ただし、訴えの却下・取下げの場合は、時効の完成猶予・更新 は認められず、当初の時効が適用されるため注意が必要です。, 催告とは、債権者(被害者側)が債務者(加害者側)に対して債務の履行を請求することをいいます。つまり、裁判外の被害者による加害者に対する損害賠償請求を指します。一般的には、内容証明郵便等で請求書を送るといった手段で加害者側に督促することで、時効が6ヶ月延長されます。 交通事故損害賠償請求権の時効の起算点、時効期間 損害賠償請求権は、被害者(死亡事故の場合は相続人)が 「損害及び加害者を知った時」を起算点 として 3年間 行使しないときは時効によって消滅します(民法724条前段、自賠法4条)。 { "@type": "ListItem", 交通事故の損害賠償請求権には時効があり、人身事故は5年、物損事故は3年です。時効が完成すると、損害賠償金を受け取ることができません。消滅時効の起算日にも注意が必要です。 「時効の完成猶予」とは、所定期間に限り時効の完成を先延ばしにできる制度です。完成猶予を行うには、訴訟や強制執行、催告等にくわえて、「権利について協議を行う旨の書面による合意」といった方法があります。 [ { 弁護士は、時効を見据えた適切な期限管理のほか、適正な損害賠償金額獲得に向けたベストな通院方法の助言や、ストレスフルな加害者側の保険会社とのやりとりに徹底します。治療に専念できたり、普段の日常生活を送ることができたりと、不要なストレスから解放され、一任できるという大きな安心感を得るためにも、ぜひ弁護士への相談をご検討ください。, 弁護士費用特約を使う場合 本人原則負担なし※保険会社の条件によっては本人負担が生じることがあります。, ご来所が難しい遠方にお住いの方でもお電話による法律相談が可能です。まずはお気軽にご相談ください。, だれしもテレビニュース等で「時効」というフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか?, 数ある事件と同様に、交通事故の示談交渉においても時効が適用されます。時効は、民法724条, 民法724条の2(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効), 原則、交通事故の時効は、「加害者情報が判明した日」または「損害が確定した日」を起点とします。ひき逃げ等の場合を除き 、通常は事故発生日に加害者情報が判明するため、事故発生日を起点としますが、事故の態様によって起算日や時効期間が異なります。詳しくは下記項目をご覧ください。, 即死ではなく入院期間等を経て死亡した場合も、事故発生日ではなく死亡した日を起点とします。, 後日、加害者が判明した場合は、「事故発生翌日から20年」と「加害者が判明した翌日から起算して、物損事故は3年、人身事故は5年」のいずれか早いほうの期間が時効期間となり ます。, 時効が成立するには、「時効援用の意思表示」が必要となります。時効援用の意思表示とは、債務者(加害者側)が債権者(被害者側)に対して、時効の制度を利用する意思を表明することです。, 具体的な意思表示方法として、内容証明郵便が活用されます。時効経過後、加害者側が時効援用の意思表示を行い、被害者側への到達をもって、時効成立となります。つまり、時効経過後でも、相手方から時効援用の意思表示がなければ、損害賠償を請求できる可能性があるということです。, 相手方との示談交渉がなかなか進まず、時効が迫ってくることもあります。時効までに示談が成立しそうにない場合、いったいどうすれば良いのでしょうか?, 時効が迫ってきた場合は、被害者側がアクションを起こすことにより、時効を延長することができます。, 以降、具体的なアクションを紹介していきますが、もっとも重要なことは、時効が近いという焦りから妥協した内容で示談をしないことです。, 時効の更新 を行うには、加害者側に債務を認めてもらう必要があります。これを「債務の承認」といいます。, そもそも債務とは、債務者(加害者側)が債権者(被害者側)に対して一定の行為(給付)をすることを内容とする義務をいいます。つまり、交通事故でいう債務とは、損害賠償金の支払いを指します。時効が迫っていても、債務の承認が得られれば時効の更新が可能となります。, では、加害者側に損害賠償金の支払い義務を認めてもらうには、どういった方法があるのでしょうか? 原則、交通事故の時効は、「加害者情報が判明した日」または「損害が確定した日」を起点とします。ひき逃げ等の場合を除き 、通常は事故発生日に加害者情報が判明するため、事故発生日を起点としますが、事故の態様によって起算日や時効期間が異なります。詳しくは下記項目をご覧ください。 "position": 1, 損害賠償請求権が、時効により消滅すると加害者や加害者の任意保険会社に対して賠償金を請求することは一切不可能になります。そのため、時効の起算点、時効期間をしっかりと認識して、消滅時効が完成しそうなときには、時効中断措置をとることが重要になります。, 損害賠償請求権は、被害者(死亡事故の場合は相続人)が「損害及び加害者を知った時」を起算点として3年間行使しないときは時効によって消滅します(民法724条前段、自賠法4条)。そのため、, ※期間は午前0時に始まるときを除いて初日を算入しないので、被害者が「損害及び加害者を知った時」が午前0時でない限り、上記1~4のように翌日が時効期間の起算日となります。, 「加害者を知った時」とは、損害賠償請求が事実上可能な程度に知った時を意味します。具体的には、被害者が加害者の氏名、住所を確認したときです。ひき逃げなどの特殊な事情がある場合は別として、通常の交通事故では事故日になります。, ※交通事故による負傷の治療は、症状経過を確認しながら行われ、後遺障害の内容も治療状況に関連し、損害額の算定には後遺障害の内容や症状固定日が考慮されます。, したがいまして、交通事故による人身損害は、すべての損害《傷害による損害(治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料など)、後遺障害による損害(逸失利益、後遺障害慰謝料など)》につき、症状固定時や治癒時が消滅時効の起算点となるはずです。, この点、消滅時効が問題となる最近の交通事故事件の裁判所の判断も、交通事故による人身損害について、消滅時効の起算点を症状固定時・治癒時とするものが多いです。, ※通常、症状固定日は、医師が後遺障害診断書に記載した症状固定日になりますが、裁判では必ずしも機械的に診断書の症状固定日をそのまま認めるわけではありません。実際には診断書の症状固定日よりも前に症状が安定していたような場合、診断書記載の固定日より前の時期を症状固定日、すなわち、時効の起算点と認定することもあります。, 裁判において、被害者側が主張する症状固定日より前の時期を症状固定日とされた結果、損害賠償請求権の消滅時効が完成していると認定されてしまうこともあります。交通事故被害者は、後遺障害診断書記載の症状固定日を絶対的なものとは考えずに、実際の症状固定日がいつであるかを慎重に検討する必要があります。, 「請求」とは、裁判上の請求、すなわち、法的手続により請求することを意味します。訴訟(裁判)の提起が代表的なもので、裁判所に訴状を提出した日に時効は中断します。訴えが却下されたり、訴えを取下げた場合には時効中断の効力は生じません。, 判決が確定したり、裁判上の和解が成立したときは、翌日から新たに時効期間が進行します。ただし、裁判で確定した権利なので、時効期間は3年の短期ではなく、10年になります。, 法的手続をとらずに、裁判外で請求することを「催告」といいます。配達証明付内容証明郵便で請求書を送ることが催告の典型例で、相手方のもとに請求書が届いた日に時効は中断します。「催告」にも時効中断の効力がありますが、催告をしてから6ヶ月以内に裁判などの法的手続をとらないと時効中断の効力を失うため、本格的な中断措置をとるまでのつなぎの効力しかありません。, 口頭で認めることも「債務の承認」と言えますが、後日に争いになったときのために書面の形で残るようにしておかなければなりません。, 治療費の支払、休業損害の支払など、任意保険会社からの支払は、加害者の代理人による債務の承認とみなされて時効中断事由となり、支払日に時効は中断し、翌日から新たに時効期間が進行します。, 賠償額を提示する書面(示談案)が典型的なものです。たとえ賠償金額に争いがあっても、債務の存在自体を認めていれば、債務の承認として書類の作成日に時効は中断し、翌日から新たに時効期間が進行します。交渉が長期に渡り最後の賠償額提示や最後の賠償金支払から長い期間が経ったときには、任意保険会社に対して債務を承認する書面の作成を求める必要があります。, なお、加害者側が、自認している額を除いた残りの賠償額の存在を明確に否定していると考えられる場合には、自認している額を超える賠償金については、債務の承認と認められません。たとえば、加害者側が、既払額で賠償額の支払はすべて完了していると明確に述べている場合です。, また、以下のものは損害賠償請求権の時効中断事由にはあたらないことに注意が必要です。, ・自賠責保険への被害者請求、自賠責保険への異議申立、自賠責保険への時効中断申請、自賠責保険会社からの支払, 加害者に対する損害賠償請求権と自賠責に対する請求権は別の権利ですし、任意保険会社と異なり自賠責保険会社は加害者の代理人ではないので、これらの事由は交通事故損害賠償請求権の時効中断事由になりません。, 傷害による損害(治療関係費、休業損害、傷害慰謝料など)については、症状固定日や治癒時と考えられ、交通事故賠償実務上もそのように処理されることが多いですが、事故日と考える少数説もあります。, 死亡による損害(葬儀費、死亡逸失利益、死亡慰謝料など)については、死亡日になります。, 後遺障害による損害(後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料、将来介護費など)については、症状固定日になります。, 法的手続により請求することを意味します。訴訟(裁判)の提起が代表的なもので、裁判所に訴状を提出した日に時効は中断します。訴えが却下されたり、訴えを取下げた場合には時効中断の効力は生じません。.